映画でも小説でも作家好みのドン・ペリニヨン・ロゼ

映画でも小説でも作家好みのドン・ペリニヨン・ロゼ

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映画に登場するシャンパンの双璧は、モエ・エ・シャンドンとG.H.マム。
特に、モエ・エ・シャンドンの場合は、NVの『モエ・アンペリアル』とトップレンジの『ドン・ペリニヨン』が際立っています。
ワインについて詳しい知識がない方でも、ドン・ペリニヨンという名は聞き覚えがあると思います。これは17世紀、シャンパーニュ地方のベネディクト派修道院オーヴィレール大修道院で秀でた才能をシャンパン造りに発揮したピエール・ペリニヨンに由来しています。
ボトルはモエ社の創業者クロード・モエが18世紀に使っていたのと同じ瓶型、ラベルも当時の伝統ある盾形の紋章をかたどっているので、スクリーンのなかでは目立ちます。
映画界最高の権威はアカデミー賞ですが、ドン・ペリニヨンは主演男優賞を受賞したトム・ハンクスの『フィラデルフィア』や鬼気迫る演技で主演女優賞を獲得したキャシー・ベイツの『ミザリー』でも存在感を示していました。

 

『神の雫』の原作者樹林伸氏の小説にもドン・ペリニヨン・ロゼ!

映画でも小説でも作家好みのドン・ペリニヨン・ロゼ

ドン・ペリよりさらに高価なロゼは映画『硝子の塔』に出てきます。高層マンションに越してきたシャロン・ストーン演じる編集者に、隣人が「お祝い」と言って持ってくるのですが、贈り主は印税生活で優雅に暮らす作家、これは納得できる設定でした。

 

ワインの伝統国フランスを筆頭に、韓国や台湾等でも翻訳本が出て、累計1000万部超の大人気コミックとなった『神の雫』(講談社)、その原作者樹林伸氏の初小説『東京ワイン会ピープル』(文藝春秋)にもロゼが登場します。ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日前日に上梓された新刊で、別冊文藝春秋での掲載分と書き下ろしを加えた5会で構成されています。

 

――不動産会社に勤務する25歳のOL桜木紫野は第1会でベンチャー企業の社長織田一志と知り合う。2次会で彼から飲ませてもらった『DRCエシェゾー2009』に魅了された紫野は感じたままを事細かに語る、ワインにとりつかれたように。その感性に惹かれた織田は、自分が関係するワイン会に代理に出席して、預けてあるワインを飲み、感想を聞かせて欲しいと、紫野に依頼する。ワインの知識がほとんどなかった紫野だが、ワイン会での経験によって、ワインマニアとして少しずつ、成長していくことに……

 

第3会に、そのドン・ペリニヨン・ロゼが出てきます。
紫野のこころに響いたイメージは「香りは華やか、ワインを開けただけで、その場がピンク色の装飾をちりばめた舞踏会に。目を閉じてピンクの液体を口にすると、そこはマスカレード――仮面舞踏会、秘密の宮殿」。神秘的なニュアンスが伝わってきます。

 

世界のワイン市場におけるロゼ・シャンパンの動きを見ると、10年前は全体の4%でしたが、今では10%まで躍進。とりわけ、日本では12%で他国を圧しています。金額ベースでは、米国、英国に次いで、日本は第3位の市場。ロゼ・シャンパンやプレスティージ・シャンパンのように高価なアイテムを好む日本のシャンパンラバーに、シャンパーニュ委員会(CIVC)はさらなる期待をしています。

 

画像奥はドン・ペリニヨン2006、手前はドン・ペリニヨン・ロゼP2 ヴィンテージ

※掲載情報は 2017/12/30 時点のものとなります。

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キュレーター情報

青木冨美子

ワインジャーナリスト

青木冨美子

NHK、洋酒メーカーを経て、現在フリーランス・ワインジャーナリスト。(一社)日本ソムリエ協会前理事、機関誌『Sommelier』前編集長。17世紀、3つのコトー(丘陵斜面)で造るシャンパンの愛好家によって組織された「オルドル・デ・コトー」が起源の由緒ある団体『シャンパーニュ騎士団』から2009年5月シュヴァリエ(騎士)受章、2012年5月には、オフィシエ(将校)受章。2013年4月オーストラリアワイン名誉スペシャリスト受賞、ワイン本の執筆や監修、企業向けのワイン講師。『NHK文化センター青山校』、『ホテルオークラ ワインアカデミー』専任講師。Facebook『ワインのこころ Non Solo Vino版』でワイン情報発信中。著書に『おいしい映画でワイン・レッスン(講談社)』、『映画でワイン・レッスン(エイ出版)』監修『今日にぴったりのワイン(ナツメ社)』ほか。

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