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葡萄の畑の手入れや収穫も、契約農家と一緒にやるから作れる味
先日、弟から実家の近くにワイナリーを見つけたという情報が入りました。
実家があるのは、東京の下町・御徒町です。近くに葡萄畑もないし、まさか下町にワイナリーなんてある訳ないだろうと半信半疑で、ワイナリーがあると噂される実家の近所を探索しました。なんだかそれらしきビルを見つけ、恐るおそる建物に入り階段を上ってみました。
出迎えてくれた方に、ここはワイナリーですかと質問すると、ハイそうですと言うのです。なんとビルが一棟まるまるワイナリーだったのです。本当に、御徒町にワイナリーがあったのでした。
今年の11月に出来たばかりの、台東区で初めてのワイナリー『葡蔵人』です。
酒造責任者の須合美智子さんが、自分たちで飲むワインを自分で作れたらということからワイン作りを始めたそうです。それから、ワイン作りを覚える為に山梨のワイナリーに通って修行したとのことでした。いくら山梨が隣の県とはいえ、100キロ以上はあります。「当時は、無我夢中で必死だったのでなんとか通うことが出来た」と仰ってました。
ワイン作りに一番重要なのは、原料となる葡萄の品質です。契約農家に自分が理想とする葡萄を作ってもらえるかにかかってしまいます。つまり、農家との信頼関係がワインの味を左右するのです。そうして収穫した葡萄をバラバラにして機械で搾ります。搾り方にもよってもワインの味が変わります。また、葡萄の収穫するタイミングによっても味が変わります。葡萄の状態で味見しても、発酵させてワインにすると味が変わるので、収穫のタイミングは経験による勘で決まります。
搾った葡萄の汁をタンクに移して醸造し、発酵するのを待ちます。葡萄の糖分を酵母に食べさせてワインを作るのですが、酵母は生き物なので、部屋の温度の調整が大事です。
醸造しているタンクの側面を外から触ると、中で酵母が活動して熱を発するので、少し温かみがあります。タンクの中を上から見せていただいたのですが、小さな泡がプクプクと湧いて出て、なんだか中で生き物が呼吸していそうな感じがしました。この様子を毎日観察し、ワインになるまで熟成させ味を調整しながら見届けるそうです。
醸造したワインを濾過し、ボトルに詰めれば台東区のワインの出来上がりです。
メイドイン御徒町のワインです。
今回は、山梨県の笛吹市のデラウェアを使って作った白ワインを買ってみました。デラウェアの甘みが抑えられ、さっぱりと辛口に仕上がっているので食事に合います。ちなみに山梨では、寿司とワインを合わせて楽しむという独特の習慣があるそうです。たしかにお刺身と白ワインの相性はとても良いです。デラウェアのワインは、爽やかな酸味があり、焼き魚と合わせても美味しいです。
他にも、山梨のベリーA、アジロン、茨城の北天の雫などさまざまな品種の葡萄で作られたワインがあります。
このワインは、ワイナリーのショップで買うことも出来ますし、近々、ワインもショップ内のスペースで飲めるようになるそうです。
あまりワインのイメージがない下町ですが、地元のワイナリーで作ったワインを地元の人たちにもっと身近に飲んでもらえたらという思いがあるそうです。
下町のワイナリーから生まれたワイン、新しい「下町土産」として誰かに差し上げても喜ばれると思います。
※掲載情報は 2017/12/14 時点のものとなります。
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キュレーター情報
荒岡眼鏡の三代目 眼鏡店ブリンク店主
荒岡俊行
1971年生まれ。東京・御徒町出身。1940年から続く「荒岡眼鏡」の三代目。
父方も母方も代々眼鏡屋という奇遇な環境に生まれ育ち、自身も眼鏡の道へ。
ニューヨークでの修業を経て、2001年に外苑前にアイウエアショップ「blinc(ブリンク)」、2008年には表参道に「blinc vase(ブリンク・ベース」をオープンさせる。
「眼鏡の未来を熱くする。」をミッションに掲げ、眼鏡をカルチャーの1つとして多くの方々に親しんでいただけるよう、眼鏡の面白さや楽しさを日々探求しています。
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