永年の酢嫌いがついに美味しい幻の酢に出会った

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京都北野・幻のお酢 玉姫酢

永年の酢嫌いがついに美味しい幻の酢に出会った

昔からすっぱい食べ物は嫌いだった。身体に良いからと酢を沢山取るようにといわれて何度も色々な酢を試してみたが、どうしてもダメなのである。雑誌で「お手伝いハルコの」のレストラン修行の連載時にも、2度ほど酢を克服しようとしたが、ダメだった。
じゃ、酸っぱいものは嫌いかというと、鮨は好きだし、ところてんも大丈夫なのだ。そうそう、柑橘系のポン酢は好物なのだが、原因を考えると和食の三杯酢のようなのだ。合わせ酢の二杯酢は、酢と醤油が基本で、子どもの頃は母親の実家に行くと刺身はこの二杯酢(酢醤油)でよく食べていた。問題は三杯酢の酢。醤油に味醂(あるいは砂糖)だが、この若干入る甘味がダメで、甘味が酸味を増すような気がして、むせ返るのだ。どうも、こんな影響から酢全体が嫌いになったように思うのだが。しかし、ついに酢嫌いにも救世主が現れたのだ。
仕事で鎌倉・稲村ヶ崎にある北村光世先生のお宅に本の撮影で訊ねて行った時の話。北村先生は、京都生まれでアメリカのミシガン州のホープ・カレッジを卒業した後に、青山学院大学で教授をされた方で、留学時代にハーブとオリーブに出会い、食文化に関心を持ち、鎌倉の自宅でハーブ栽培をはじめ、ハーブとオリーブオイルを使った料理の普及に尽力し、多くの著作物を刊行した日本のハーブ料理の第一人者なのである。
ハーブガーデンには、沢山のハーブが栽培されており、ちょっと庭に出てハーブを摘んできて促成の生ハーブティーをいただいたが、本当に贅沢な思いだぅた。打ち合わせ後に、先生が茄子をマリネした料理を出していただいたが、「うむ、マリネか。すっぱいだろうな」と心で思ったが、一口食べて「旨い!」とうなった。

永年の酢嫌いがついに美味しい幻の酢に出会った

確かに酸味があるのだが、優しくてまろやかな味なのだ。そのマリネに使った酢を見せてもらったが、初めての酢で「玉姫」酢とあった。

 

 

永年の酢嫌いがついに美味しい幻の酢に出会った

しかし、この酢の瓶には不思議な香草が入っていたのだった。タラゴンを玉姫酢に漬け込んだものだった。タラゴンというのは、ギリシャ語の「小さな龍」を語源とし、イギリスでの呼び名でフランスではエストラゴンと呼ばれている。日本にもあるヨモギと近い関係で、古くから料理や民間薬として用いられている。このタラゴンと酢の相性がよく、タラゴンビネガーとして料理に活用される上に、胃腸の働きを活性化させ、消化不良の症状を和らげる効果があるのだそうだ。
先生はこのタラゴンビネガーを作るために、色々な酢で試した結果たどり着いたのが、京都北野にある小さな酢屋さん「斉藤造酢店の「玉姫」酢だったのだ。

どうもこの酢は「幻の酢」といわれているらしい。なにせ、小さい酢屋さんなのでそんなに製造はしていなかったらしい。京都北野の店には昔は、一升瓶持参で買いに行く様な雰囲気だったそうだ。

永年の酢嫌いがついに美味しい幻の酢に出会った

この「玉姫」酢がわが家の食卓の定番になり、今まで25年以上も別の酢を使っていたのだが、「玉姫」酢に酢の位置を奪われそうなのだ。ツンとこない香りとまろやかな口当たりの「玉姫」酢でこれから、悔い改めて、いや、喰い改めてヘルシー食生活を追求しようと思うのだ。

玉姫 タマヒメ酢

斉藤造酢店 京都府京都市上京区一条通御前西入西町65(販売 平口豊次郎商店 他)

※掲載情報は 2017/10/20 時点のものとなります。

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キュレーター情報

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

アートディレクター・食文化研究家

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。

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