空に秋を感じたら団子坂の菊見せんべいを

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四角く、硬い職人堅気。文豪なつめ漱石気分が味わえる一枚です。

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夏目漱石「三四郎」の名場面、三四郎と美禰子が初めてデートをする場所が、東京千駄木の団子坂でした。
坂を登って菊人形を見に行く。三四郎が、東京に来て初めて迎えた秋を「気がのびのびして魂が大空ほどの大きさになる。それでいてからだ総体がしまってくる。だらしのない春ののどかさとは違う」と、漱石は表現しています。

 

まだまだ残暑は厳しいけれど、空の高さに、夕刻の早さに、どこからともなく聞こえてくる虫の音に秋を感じたら、団子坂をぶらぶらしたくなる。
おせんべいを一枚持って、乾いた空気の中でパリッといい音を立てたくなる。
これが東京っ子の粋というものです。

 

団子坂「菊見せんべい」は、創業明治8年。「円は天、方は地」という言葉から四角いおせんべいを今に伝えています。
老舗の味は、やはり手焼きの醤油味。しかし砂糖でコーテングした味も、抹茶風味も甲乙つけがたい職人堅気。袋入りの「めずらし煎餅」も優しい甘さ控えめ。かたさ、味、風味、どれもこれもが絶妙です。

 

「あられ文化」の関西育ちの私には、かじるたびに「からだ総体がしまってくる」ような気分。東京の秋、文豪の言葉とともにご賞味ください。

菊見せんべい(三色袋入り)

菊見せんべい総本店 住所:東京都文京区千駄木3丁目37−16 TEL:03-3821-1215

※掲載情報は 2017/09/10 時点のものとなります。

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キュレーター情報

ひきたよしあき

スピーチライター/コラムニスト

ひきたよしあき

(株)博報堂で、広告クリエーターとして働くかたわらで、「朝日小学生新聞」などにコラムを書いています。出張、撮影、講演で全国を回りながら、おいしいものを送ったり、頂いたり。誰かに何かを送ろうとする時、そこに素敵なエピソードが生まれます。高い安い、有名無名に関わらず、できればその一品にまつわる物語までお伝えしようと思っています。皆さんからの情報もお待ちしています。主な著書「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)「ゆっくり前へ ことばの玩具箱」(京都書房)「大勢の中のあなたへ」(朝日学生新聞社)

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