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雪で甘くなる人参が味を深くする
新潟の豪雪地帯として有名な、塩沢町に仕事で行った時に、お茶菓子として出して頂いたのが、この「魚沼の夕日」。
洋風ないで立ちだが、一口食べると甘さ控えめで、優しく包み和菓子のようでもある。「なんだか新潟人みたいなお菓子だ」と思いながら、緑茶と一緒に頂いた。
この甘さはなんだろう?と気になって袋をみたら、地元のブランド人参、雪下にんじんを練り込んであるとのこと。雪下にんじんとは、秋に収穫した人参を雪の中で越冬させた、にんじんのこと。雪の下でにんじん自身が凍らないように糖分を多くする。その作用で甘くなるのだ。糖度10度以上にもなり、ナシやびわと同じくらいの糖度のにんじん。これが練り込まれた「魚沼の夕日」やわらかな甘みは雪下にんじんだったのだ。
お土産としてもオススメだが、販売しているお店「松月」さんにも行ってみて欲しい。塩沢駅の近くの商店街は地域おこしとして、街の美観を整えて町づくりをして再生して全国に紹介されている。町並みを整えたら、観光客が町を歩きにやって来きたとのこと。地域が協力しないと地域おこしは成功しない、お互いの良さを認め、響動しないと地域は動かない。塩沢という場所は、商店街の町並みを変え、共同し響動し動き出している場所。その静かな胎動が「魚沼の夕日」に込められているように思えるのだ。
地域の宝は風土にある。雪があるから雪下にんじんが出来る風土がある。たった一つのお菓子だけれど、風土と地域の共同が詰まっている気がしてジーンとなったお茶うけだった。今度は魚沼の夕日の真ん中に、暮れ行く太陽をいれた写真をとってみたいと思う。
※掲載情報は 2017/08/25 時点のものとなります。
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キュレーター情報
タレント・新潟食料農業大学客員教授
大桃美代子
地域活性イベントも各地で行ってきたタレントとして、ニュースをはじめ、料理、クイズ、バラエティ、情報番組と、幅広い分野で活躍。 韓流にはまり、韓国に語学留学をするほど韓国好き。訪問回数も非常に多く、映画・ドラマ・文化・観光名所だけでなくグルメからパワースポットまで幅広い韓国情報通。 「阪神・淡路大震災」は大阪滞在中に、「中越地震」を新潟県魚沼市の実家に帰省中に被災し、災害と復興について考えるきっかけに。風化させないことをテーマに情報発信や、復興の為の地域活性化にも携わる。雑穀エキスパート、ジュニア・野菜ソムリエ、おさかなマイスター・アドバイザーの資格を取得するなど食育や農業に関心が高く、地元の新潟にて古代米作りもする。『桃米』として販売中。 地域活性化に取り組む団体を支援するため全国地方新聞と共同通信が設けた『地域再生大賞』選考委員を務め、各地の取組みを視察。様々な地域での取組みを紹介する講演が好評を得ている。そのほか『リアル桃太郎電鉄』、『熊本ワイチャ会議』…など、地域活性イベントも各地で行ってきた。