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フレンチビストロ&シャルキュトリーの定番中の定番といえばパテ・ド・カンパーニュ。それだけに、ある意味どこにでもあり、珍しさはありません。が、だからこそ、それぞれの作り手の顔がくっきりとあらわれるひと品ともいえるでしょう。ちょっとこだわりのお店なら、素材の豚肉にこだわるのはもちろん、塩加減、練り加減、加える副材料、みっちり度など、ほんとうに幅広くバリエーションがあります。
そんな中から、ぐっと異なる雰囲気を持った2品をピックアップしてみました。
肉押しパテとレバー押しパテを揃えるとワインも選びたくなる
セレクトしたのは西の雄、『メッツゲライ クスダ』さんのものと、『シャルキュトリ ア トキオ』さんのもの。
トキオさんのは、ギュギュっとしまった肉質で塩加減も強め。ちょっとソーセージよりの食感で攻めてくるもの。
クスダさんのほうは肉感よりもレバー感が強く、食感もやわらかめでふわっとした仕上がり。なのに、ぐっと濃い風味を感じます。
それぞれ単品でいただいていたら、う~ん、おいしい!で終わってしまいそうですが、こうして比べていただくと、もう全く違う料理といっていいくらいです。
どちらもガツンとパンチのきいたリッチな風味ですが、その肉の風味、レバー感の違いが合わせるワインを変えたくなりそう。逆にワインの好み次第でどこのパテを買うか決めてもいいのかもしれません。
おまけの写真は久保製のパテ・ド・カンパーニュ。
※掲載情報は 2017/06/04 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理家、編集者、コーディネイター
久保香菜子
高校生のころから京料理のお店で懐石料理を学び、同志社大学卒業後、辻調理師専門学校へ。調理師免許、フグ調理免許を取得。卒業後、出版社を経てフリーに。料理家として30冊を超える著書があるほか、レストラン、食品のメニュー開発、テーブルコーディネイト、編集など、料理分野さまざまなフィールドで活躍。サロン形式の料理教室も主宰している。