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「最後の晩餐は何がいいですか?」の質問に「ホテルの朝食ブッフェ」と答えたことがあります。「それは晩餐じゃないですよね」と却下されましたが、それほど、ホテルの朝食ブッフェが好きです。その日の気分で皿にのせる料理を構成できることがブッフェの嬉しいところです。
ただ、どんな気分の時でもブッフェの中に「お粥」があれば、必ず「お粥」中心で一度は取りに行きます。お粥のトッピングとして、皿にいろいろ盛り付けることが楽しみの一つです。
お粥は日本だけではありません。干し貝柱や鶏の出し汁などで炊き上げた「中国粥」にザーサイやピータンなどを添えるのもいいですし、米を潰してからトロトロに炊いたタイのお粥「ジョーク」に生卵を落とすことも好きです。
ただ、日本食は幅広い。中国粥を味わいたければ、普通に炊いたご飯を出し汁に入れ、具材と一緒に煮込んだ雑炊でいいし、ジョークのような食感を味わいたければ雑炊にして、水分がなくなるくらいまで煮込む「おじや」という食べ方もあります。
ホテルオークラの見事なお粥
以前、長い旅から帰ってきた時、ホテルオークラのお粥を食べたことがありました。日本に戻ってきたなぁと、しみじみ味わったことがありました。コシヒカリの米粒をくずさないように炊き上げた、それはそれは見事なお粥です。
シンプルに炊いたお粥に梅干しを一つ落とすのもいいですが、とき卵をくわえ、少しの醤油をたらした玉子がゆも、たまりません。あっという間に二杯、平らげたのでした。このお粥を食べると優しい笑顔になれる気がするんですよね。
※掲載情報は 2017/04/06 時点のものとなります。
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キュレーター情報
旅行作家・エッセイスト
イシコ(石原英一)
1968年岐阜県生まれ。静岡大学理学部数学科卒業後、大道芸を使った子供ショーをしながら全国を行脚する生活を10年程続ける。2003年(有)ホワイトマンプロジェクト設立。5年間限定で国内外問わず50名近いメンバーが顔を白塗りにすることでさまざまなボーダーを取り払い、ショーや写真を使った表現活動や環境教育を行う。一方、女性ファッション誌編集長、WEBマガジン編集長を経て、「MONOマガジン」や「散歩の達人」などに連載を持つようになり、エッセイストとしての活動を始める。2008年から2009年まで「SKYWARD」、「SANKEI EXPRESS」、「nakata.net」など新聞、雑誌、WEBに「旅」や「食」をテーマにした連載やブログを持ちながら世界一周。
帰国後、岐阜県安八町に移住し、ヤギと暮らしながら、「旅」と「散歩」をテーマにWEB、書籍、テレビ、講演、商品プロデュースなどを通して表現している。著書に「世界一周ひとりメシ」(幻冬舎文庫)、「世界一周ひとりメシ in JAPAN」(幻冬舎文庫)、「世界一周飲み歩き」(朝日文庫)がある。