神戸ビーフのために安井敬七郎が作ったウスターソースはハイカラ神戸の味!

神戸ビーフのために安井敬七郎が作ったウスターソースはハイカラ神戸の味!

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神戸はハイカラ文化の街。神戸っ子の私は、海と山に囲まれた神戸が大好きです。

子どもの頃の思い出は、異人館が建ち並ぶ坂の上から見える豪華客船と、風に乗って時折聞こえてくる船の汽笛の音でした。たくさんの外国人セーラーと乗客が元町あたりに繰り出し散策していると、街は“コスモポリタン”な色彩に染まり、外国船が港に着いたのだとわかったものでした。

 

神戸港は来年1月1日、開港150年を迎えます。1868年開港当時から、海外からの“新しいもん“が沢山荷下ろしされ、神戸から発信されてきました。

 

日本初のものは数々あります。ファッションではテーラーと靴。インテリアでは家具、エンターテインメントでは映画上映、ジャズ。スポーツでは乗馬、マラソン、サッカー、ゴルフ、ボーリングなど多数です。

 

食に注目すれば、紅茶、コーヒー、オリーブ、バナナ、ラムネ、ケーキ、パン、そして神戸ウォーター、神戸ビーフ等……、今でも老舗のケーキとパンはどれを食べてもおいしいですし、質の高い水は外国船が必ず積み込んだお墨付きの美味しさでした。神戸の宮水で醸した灘の酒は江戸時代から生一本と呼ばれてきたものです。また神戸ビーフの値段は高いですが、その味は今も世界に誇れるものです。

 

この神戸ビーフにも合う、洋食には欠かせないウスターソースも神戸生まれです!

 

1885年に誕生したそのソースとは「敬七郎ソース」です。敬七郎とは、このソースを作った安井敬七郎のこと。彼は、仙台藩お抱え藩医の十三代目であったのですが、ドイツ工学博士のワークネル教授に師事し、工業化学を学んでいました。ある時、二人が神戸を訪れ神戸ビーフを食べた時、教授はビーフのおいしさを称えた反面、日本においしいソースがないことを嘆いたというのです。そこで敬七郎は、ソース作りに取り組もうと決めたといわれています。試行錯誤の末、1885年にソースは出来上がり、日本初のウスターソースとなります。

 

1892年(明治25年)には英国に渡り、ウスターシャー州のウースターで作られていたソースに学び、より本格的な国産ソース作りの道へと進むのです。


現在の「敬七郎ウスターソース」は会社に残っていた明治30年当時の記録をもとに同じ製法と原料で作られており、添加物も一切使用していないとのことです。当時から受け継がれる味と精神は、懐かしいハイカラ神戸を彷彿とさせます。

神戸ビーフのために安井敬七郎が作ったウスターソースはハイカラ神戸の味!

ビーフの赤ワイン煮込みの隠し味に使うとコクが出ますよ。

神戸ビーフのために安井敬七郎が作ったウスターソースはハイカラ神戸の味!

カマンベールチーズフライにちょっぴりかけるとおいし~い!

 

「敬七郎ウスターソース」は、英国ウースターの本格の味わいに日本人好みのやさしい甘味が交じり合った“ハイカラ神戸の味”そのものです。さらりとした味わいの中にある野菜とフルーツの自然な甘味と酸味が食欲をそそります。その上、数々のスパイスの複雑な香りが存在感を発揮していて、洗練された洒落た味なのに、どこか懐かしい味なのです!

 

ボトルとラベルデザインもレトロでお洒落なので、食卓に置いても絵になります。ラベルの写真は明治当時の本社で兵庫区荒田町にあった安井舎蜜工業所のレンガ作りの建物です。

 

洋食では、オムライス、ハヤシライス、カレーライス、カツレツ、フライにはもちろんぴったりの味!特にフライにはお勧めで、付け合わせのキャベツにも合う味です。


焼きそばには、最後に一掛けするとスパイスの香りが味を〆ます。

 

私は、ビーフの赤ワイン煮込みの隠し味としても使っています。味に深みとコクが出ますし、パンにもご飯にも合う味に仕上がります。

神戸ビーフのために安井敬七郎が作ったウスターソースはハイカラ神戸の味!

ハヤシライスの隠し味にも最適です。プレートリムにはパプリカ・パセリをかけて。

 

「敬七郎ウスターソース」は阪神ソース株式会社の商品です。他にも、日の出ウスターソース、とんかつソース、SUNRISE in 1984といった個性あるソースがラインアップしています。

 

神戸のおみやげにとしても喜ばれる商品だと思います。

 

日本初!神戸発!のハイカラソースの味を是非一度お試し下さい。

※掲載情報は 2017/03/28 時点のものとなります。

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キュレーター情報

長尾典子

ライフスタイルデザイナー

長尾典子

日本伝統の知恵と美を取り入れた現代の食と暮らし方”Nippon Stylish Life”を提唱。

西宮市内のサロンと各地で、テーブルコーディネート・料理・英語・食文化をテーマに幅広く活動中。

季節開催「Japan Cool Seminar in Tokyo」では伝統美味食をテーマに、レストラン・料亭を会場に、その日だけのオリジナル料理を味わい学ぶ講座。

旅館・ホテルの食空間提案、英語による和食文化、テーブルコーディネートセミナー、オリジナル食器デザイン販売も手掛ける。

著書『12か月のLifestyle Book 食卓からしあわせは始まる』エピック
  『和食の力に魅せられて 伝統美味食の世界』エピック

食卓文化研究家、食空間コーディネート資格認定講師、卓育インストラクター、カラーコーディネーター、英語講師。

食空間コーディネート協会理事 
京都文教短期大学、大阪夕陽丘短期大学非常勤講師。
奈良女子大大学院生活環境修士。現在、現在、龍谷大学博士後期課程。
mail:nagao@a-de-v.com

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