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創業、明治28年。その歴史が美味しさに反映する
今、やきとりがブームです。定番のほかご当地やきとりも人気で、全国各地で盛り上がっています。そんなやきとりですが、東京でテイクアウト店を探すのは簡単。というのも、さまざまな街で店舗、スーパーのお惣菜コーナーで売られています。デパ地下にももちろん入っていますね。ですが、こだわり店となると……。そこでぜひ覚えておいて欲しい1軒が板橋区役所駅からすぐの『鳥新』。場所は仲宿商店街の入り口の角。なぜ、ここなのかというと歴史が違います。創業、明治28年。初代の磯田新助氏が現在地で鶏問屋を始めたのが最初。昭和20年頃までは、この場所に鶏舎があって、ニワトリを飼育して注文に応じて処理をしていたそう。そして昭和30年代にアメリカからブロイラーが導入された後は、鶏問屋として成長しました。
ニーズを把握するために、あえて店頭販売を続ける
店舗の前に立てば、一見、普通というか街の精肉店だと思うかもしれませんが、全然違います。実は本社の他、仙台、大阪、新潟にも営業所を構える、年商50億円の一大企業で、様々な有名店にも鶏を卸しています。扱う銘柄も比内地鶏を始めとした地鶏、銘柄鶏などの他、輸入鶏肉、フォアグラ、野鳥など多岐に渡ります。特に強いのが「みちのく清流若どり」で、それが店頭で、炭火で焼かれ、テイクアウトできるというわけ。本当なら2倍してもおかしくないレベルのやきとりを1本100円くらいで提供しているのだから超お得。会社の総売上からしたら、店頭販売は微々たる売上です。でも続けているのは「お客様と直接に接することで、時代のニーズを確実に把握するため」なんだとか。そんな真面目さも『鳥新』の凄さです。
※掲載情報は 2017/02/18 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードジャーナリスト
はんつ遠藤
東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。