絶品の小倉トーストが食べたければ「きた川特製ぜんざいあん」

絶品の小倉トーストが食べたければ「きた川特製ぜんざいあん」

記事詳細


瑞宝章受賞者の手から生み出される「ぜんざいあん」は芸術品

絶品の小倉トーストが食べたければ「きた川特製ぜんざいあん」

人もそうですが味もご縁なのでしょうね。金柑のシロップ漬を羽二重餅で包む「へそくり餅」が有名な和菓子店に連れて行ってもらったことがきっかけでした。僕は、その店で陳列中の商品である「ぜんざいあん」の詰まった瓶を割ってしまったのです。「お怪我なかったですか?お支払?とんでもありません」と店の方々はおっしゃり、弁済を受け入れてもらえませんでした。そこで新しい「ぜんざいあん」の瓶を購入して店を出ました。

 

これが大当たり。人生で食べてきた「小倉トースト」の中でベスト1に輝いたのです。僕の中で。

 

以前、喫茶店を巡る連載で4年ほど東海地区を歩き回っていたことがあります。東海地区はモーニングと呼ばれるサービスを提供する喫茶店が多く、午前中(提供時間は店によって違います)、飲み物を注文するとトーストや卵がついてきます。

 

サービスも多様化していて、トーストではなく、サンドイッチやフレンチトーストがつくところもあれば、卵だけではなく、うどんや茶わん蒸しがつくなど飲み物を頼んだことを忘れそうになる店もあります。

 

そういった店を巡る中で、僕は名古屋メシの一つ「小倉トースト」に出会い、ハマっていきました。そんな中で出会った「きた川特製ぜんざいあん」。実は平成28年秋の叙勲で店主の北川さんは瑞宝章単光章を受賞されていました。瑞宝章の手から生み出される「ぜんざいあん」は芸術品なのです。

 

僕の場合、食パンにバターを先にのせ、トーストで焼いて染み込ませ、後は「ぜんざいあん」をのせるだけ。バターが染み込んだパンとぜんざいあんが混ざり合い、優しい甘さが口の中に広がり、顔がほころびます。

 

店で割ってしまった「ぜんざいあん」は惜しくてなりませんが、割っていなければ出会えなかったかもしれません。感謝しております。

※掲載情報は 2017/01/16 時点のものとなります。

  • 13
ブックマーク
-
ブックマーク
-
この記事が気に入ったらチェック!
絶品の小倉トーストが食べたければ「きた川特製ぜんざいあん」
ippin情報をお届けします!
Twitterをフォローする
Instagramをフォローする
Instagram
Instagram

キュレーター情報

イシコ(石原英一)

旅行作家・エッセイスト

イシコ(石原英一)

1968年岐阜県生まれ。静岡大学理学部数学科卒業後、大道芸を使った子供ショーをしながら全国を行脚する生活を10年程続ける。2003年(有)ホワイトマンプロジェクト設立。5年間限定で国内外問わず50名近いメンバーが顔を白塗りにすることでさまざまなボーダーを取り払い、ショーや写真を使った表現活動や環境教育を行う。一方、女性ファッション誌編集長、WEBマガジン編集長を経て、「MONOマガジン」や「散歩の達人」などに連載を持つようになり、エッセイストとしての活動を始める。2008年から2009年まで「SKYWARD」、「SANKEI EXPRESS」、「nakata.net」など新聞、雑誌、WEBに「旅」や「食」をテーマにした連載やブログを持ちながら世界一周。
帰国後、岐阜県安八町に移住し、ヤギと暮らしながら、「旅」と「散歩」をテーマにWEB、書籍、テレビ、講演、商品プロデュースなどを通して表現している。著書に「世界一周ひとりメシ」(幻冬舎文庫)、「世界一周ひとりメシ in JAPAN」(幻冬舎文庫)、「世界一周飲み歩き」(朝日文庫)がある。

次へ

前へ