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愛らしく縁起の良い、お正月の和菓子「花びら餅」
新しい一年のはじまり。初春のこの時期だけ味わえる、愛らしい和菓子が「花びら餅」です。
半月型のお餅に、ほんのり透けて見える淡いピンク色の餡。ニッコリ笑った口元のようにも見えて、お正月に花びら餅をほおばる時には必ず、“笑う門には福来る”という言葉が浮かびます。
「花びら餅」は、正月のお祝いの際に宮中で用意される「菱葩(ひしはなびら)」をもとにしたお菓子だそうです。
丸くのした餅に、小豆色の菱餅を重ね、甘く煮た牛蒡(ごぼう)と白味噌の餡をはさんで二つに折ったもの。
元々は、平安時代の新年の行事で、餅や大根など固いものを食べて長寿を願う「歯固め(はがため)」の儀式に由来するともいわれ、永く宮中で受け継がれてきたもの。明治時代になって、茶道裏千家の初釜のお菓子として用いるようになり、少しずつ広がったそうです。
円い(まるい)お餅と紅白の餡、細く長く幸せを願う牛蒡(ごぼう)。なんともお正月らしい縁起の良い「花びら餅」。とっても晴れやかな気分になれます。
こちらは、京都にある老舗和菓子屋さん「甘春堂」の「花びら餅」。
やわらかな求肥の皮に、やさしい甘さの白みそ餡と、ほんのり甘く煮た牛蒡が1本はさんであります。白みそ餡はちょっぴり塩気を感じる味わいで食べやすく、求肥の柔らかさに牛蒡のちょっとした歯ごたえがアクセントになって、その食感も楽しみな一品。
ちなみに、包んでいる皮は、関東はお餅、関西は求肥が一般的だそうですよ。
「花びら餅」は様々なお店で販売されますが、いずれも年明けの松の内くらいまでしか作られない、まさにお正月を彩る和菓子です。
おせちやお雑煮だけでなく、ぜひ「花びら餅」も味わって、一年の幸せをみんなで願いたいですね!
※掲載情報は 2017/01/01 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フリーアナウンサー、ごはんソムリエ
天谷ゆか
福井県生まれ。福井放送(株)元アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ナレーターとして活動中。
着物の楽しさと、オーガニックコットンの心地よさや大切さを伝えるため、オーガニックコットンの木綿着物ブランド「るるん」立ち上げ、デザイン、プロデュースを手掛ける。
「食」への関心も高く、NPO法人 青果物健康推進協会所属の「ベジフルティーチャー」として、食生活の向上や食育、農業支援の活動にも積極的に参加。さらに、「ごはんソムリエ」の資格を取得。ごはんを中心とした和食の良さを伝えている。
趣味は、茶道、書道(四段)、ごはんの食べくらべ、日本酒、断捨離。