アーユルヴェーダでは薬用。大自然と悠久の時が作った最高の塩

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地中のミネラルをふんだんに含んだその味は料理人なら、挑みたくなること請け合い。

アーユルヴェーダでは薬用。大自然と悠久の時が作った最高の塩

岩塩と海水塩の違いはお分かりかと思います。海水から精製して作られる塩に対して、岩塩は地殻変動で地中に閉じ込められた海のミネラルの結晶ですから、採掘して掘り出してくるもの。そのため、そう言った地殻変動の無かった日本の国土には岩塩は眠っておらず、ヒマラヤのようにアンモナイト貝が出てくるような、大昔には海岸線だったようなところにこの塩はあるというわけです。

 

けれど岩塩にもいろいろあります。ヨーロッパなどの白い岩塩はクリスタルソルトとか素敵な名称がつけられていたりしますね、それなりに味わい深いものですがピンク色の岩塩がもつあの旨味はありません。

 

この岩塩は見ての通りの真っ黒タイプでその名もブラックソルトと呼ばれますが、ピンク岩塩よりもさらにヨードの含有率が高いためこのような色になります。ヨードは陽の光に弱いため陽光の下に出しておくとこの黒さは色褪せてきます。ですからインドやパキスタンの食料品店でこのタイプの黒岩塩を買いたいというと、お店の人は缶などの中から出して見せてくれます。そして重さを測って値段が決まります。

 

今回この塩をお勧めする理由、それは大きく分けて二つ。一つは薬用、もう一つはその「びっくりするような深い味」です。インドの伝承医学でもあるアーユルヴェーダでは処方にこの塩を使うこともありインドの家庭ではなるべくいつもストックしてある家が多いです。疲れが取れることから料理だけではなくドリンクに混ぜたり果物にかけたりして食べられたり。そして味ですが、これは写真でも文章でもお伝えできないことが本当に残念。私が長年料理教室でこの塩を使ってきて、生徒さんたちからよく聞く感想は「温泉卵みたい」とか「硫黄の匂いがする」などというものです。

 

口にすると塩分を舌が感じると同時に圧倒的な「旨味」が舌に乗ります。渋みや苦みすら複雑に絡まっており、私は、料理人はどのジャンルの人であっても一度はこの塩を体験してみるべきだと思っています。加熱すると「化ける」とすら私は思っています。大自然と歴史が作った、最高の素材です。

 

最後にもう一つインフォメーションを。この塩はバスソルトとしても秀逸です。もったいない使い方ではありますが、胎毒が出ると言われており、そしてとても温まります。私は風邪をひきそうになった時はいつもこの塩のお風呂に助けられています。

※掲載情報は 2016/12/29 時点のものとなります。

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キュレーター情報

香取薫

インドスパイス料理研究家

香取薫

有限会社 食スタイルスタジオ 代表取締役
キッチンスタジオ ペイズリー 主宰。
1985年、ボランティアで訪れたインドでスパイス料理に魅せられ、本格的に研究を始める。さまざまな地方で本場の家庭料理を習う。料理教室は1992年創業、数多くのインド料理店主、講師を輩出。教室にはスリランカ料理とアーユルヴェーダ料理コースも併設。ポリシーは日本の気候や日本人の味覚に合う健康的なスパイス使い。
著書に『5つのスパイスで作れるはじめてのインド家庭料理』(講談社)、『家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理』(河出書房新社)、『アーユルヴェーダ食事法 理論とレシピ──食事で変わる心と体』(佐藤真紀子共著、径書房)、『『ひとりカレー かんたんレシピ45』(幹書房)、『家庭で作る本格インド料理』(マーブルトロン)、『アーユルヴェーダ・カフェ』(著・上馬塲和夫、料理・香取薫/地球丸)、『うまい、カレー。』(ナツメ社)、『チャラカの食卓 二千年前のインド料理』(伊藤武共著、出帆新社)などがある。

日本アーユルヴェーダ学会 評議員
日本香辛料研究会 会員

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