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ハーブ香る炭火チキン。バンコクの風吹くチキンをサンドの具に
ずいぶん浸透した感のある高級つまみ缶詰。ジャンルとして多いのはやはり燻製油漬けやアヒージョ、焼き鳥系など、洋風のものと和風のもの。わたしが好きなアジアエスニックの味付けのものはなかなか見かけない。インド風テイストで気を吐いているのが新宿中村屋のスパイスデリ。中村屋テイストのカリー煮込みは実力派の味だ。
そして今回、お薦めしたいタイ料理テイストの高級つまみ缶詰を見つけた。「タイのおつまみ タイデリ」シリーズ。作っているのはヤマモリ株式会社。ご存知の方はピンと来るだろう。タイ料理のレトルト、缶詰食品の製造販売を手がける会社だ。グループ会社のサイアムヤマモリはタイ、ラヨーン県のイースタンシーボード工場団地内にレトルトパウチ食品の工場を持っている。スーパーでよく見かけるヤマモリタイカレーはここで作られる。事業の柱は醤油、味噌の醸造生産で本拠地を三重に置く。そんなヤマモリが出している「タイのおつまみ タイデリ」シリーズ、秀逸なのだ。ラインナップは5種。Thai Deli(タイデリ)グリーンカレーチキン、レッドカレーチキン、マッサマンチキン、バジルチキン、パクチーチキンというもの。
お酒のつまみやご飯のお供にというメーカーからのおすすめがあるのだが、今回はサンドイッチにアレンジしたらどうかと考えた。手軽に作れてお弁当にも作り置きの軽食、おやつなどにも便利なサンドイッチ。これを大人のアジアエスニック風味に変身させる。今回のチョイスは「グリーンカレーチキン」。
ヤマモリのホームページを見ると、チキンは国産鶏肉でそれを炭火調理。味付けはハーブとスパイスが効いた本格グリーンカレーソースで味付け、とあった。そこに「温めずにおいしくお召し上がりいただけます。」の表記。これを見てサンドイッチの具材にすることをひらめいた。ごくシンプルなレシピ。マヨネーズにマスタードを混ぜてパンに塗り、塩漬けの黒胡椒の実をちりばめて、レタス、キュウリ、玉ねぎ、ゆで玉子をスライスして。
そこに「Thai Deli(タイデリ)グリーンカレーチキン」を合わせる。缶を開くと炭火焼の鶏肉がみっちりつまっていてワクワクさせられる。味見でひと口食べてみると、これが大変に美味しい。グリーンカレーソースが鶏肉によく絡まり、バイマックルー(こぶミカンの葉)やホーラーパー(スイートバジル)などの香りがバランスよく配されてとても爽やか。味付けが強すぎないので応用も効きそうだ。肉のカットも大きくて食べ応えがあり、しょんぼりした気持ちにさせないのが素晴らしい。
うん、これ、いいと思う。このエスノサンドイッチにビールを合わせたホリデーランチなんてのもいいだろう。エスニックテイストで大人サンドイッチ、なかなかいいのではないだろうか。
あまりに気に入ったのでまた早々、サンドイッチの日々である。この日のパンはイスラミックスタイルの丸型の冷凍のナーン。そこにシンプルなドレッシングを少しかけた野菜と今度は「マッサマンカレーチキン」を乗せて違うスタイリングを施した。
これがまたこんなに簡単なのに美味しくて。市販のサンドイッチにもう戻れない。そんな気分になった。これは必ずストックしておきたい。
※掲載情報は 2016/12/20 時点のものとなります。
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キュレーター情報
カレーライター・ビデオブロガー
飯塚敦
食、カレー全般とアジア料理等の取材執筆、デジタルガジェットの取材執筆等を行う。カレーをテーマとしたライフスタイルブログ「カレーですよ。」が10年目で総記事数約4000、実食カレー記事と実食動画を中心とした食と人にフォーカスする構成で読者の信頼を得る。インドの調理器具タンドールの取材で09年秋渡印。その折iPhone3GSを購入、インドにてビデオ撮影と編集に開眼、「iPhone x Movieスタイル」(技術評論社 11年1月刊)を著す。翌年、台湾翻訳版も刊行。「エキサイティングマックス!」(ぶんか社 月刊誌)にてカレー店探訪コラム「それでもカレーは食べ物である」連載中。14年9月末に連載30回を迎える。他「フィガロジャポン」「東京ウォーカー」「Hanako FOR MEN」やカレーのムック等で食、カレー関係記事の執筆。外食食べ歩きのプロフェッショナルチーム「たべあるキング」所属。「ツーリズムEXPOジャパン」にてインドカレー味グルメポップコーン監修。定期トークライブ「印度百景」(阿佐ヶ谷ロフトA)共同主催。スリランカコロンボでの和食レストラン事業部立ち上げの指導など多方面で活躍。