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アーモンドの女王 スペイン産マルコナアーモンドとこだわりクリームのハーモニー
宮城県多賀城市にあるオリジナルマカロンとケーキのお店「パティスリー カズノリムラタ」。ムラタシェフのブログには「マカロン星から極秘任務で日本に潜入、マカロン星のレシピで本物のマカロンを作り続けながら活動中」と記載されていますが、マカロンへのこだわりは相当なものです。
例えば、原材料。アーモンドの女王と呼ばれるスペイン産マルコナ種のアーモンドホールを100%使用し、粉末にする際の回転数や時間を長年研究し続け、大きい粒と微粉末のベストな割合をチェックしながら、えも言われぬ繊細な香りと食感の極上マカロンを作りだす、まさにマカロンの天才だと思います。時期によってアーモンドから油が出やすくなると、23度ほどの暖かい場所に3日以上おいてアーモンドの実全体に油分を散らし、挽き方、時間、回数も変えるという徹底ぶり。そのわずかな状態の違いも徹底的に研究し、製造毎に理想のアーモンドパウダーに仕上げ、和菓子の素材である上新粉を微量配合することで、マカロン生地とクリームの一体感やアーモンドの香り、風味を引き立てているそうです。私は、このマカロンを多賀城市に住んでいる方から頂き、一口食べた瞬間に虜になりました。というのも、クリームはノーワックスレモン、ショコラ、黒胡麻、ピスタチオ、キャラメル、ショコラカシス、マロンフランボワーズ、パッションミルクチョコレートなどバリエーション豊富で口に入れた瞬間にクリームの風味がしっかり感じられ、その瞬間にしっとりとしたマカロン生地がふわふわとやさしく溶けていくのに、香り高いアーモンドの味わいはしっかり残ります。このアーモンドの香りや味わいが上質で他のマカロンとはひと味違います。これはムラタシェフがそのハーモニーや食感になるように計算されて作られています。
そしてクリームに隠し味として配合されている原材料がまた面白い!例えば、いちごのマカロンにはバルサミコ酢やマレーシアのサラワク産黒胡椒が使われていたり、ミルクチョコレートのマカロンには、ジンジャーガナッシュやパッションフルーツを加えて二重構造になっていたり。また、黒胡麻にはフランスブルターニュ産のフリュードセル(海塩)を組み合わせ、それがいいアクセントになっています。
東京にもマカロンの美味しいお店は沢山ありますが、私の中ではムラタシェフの作るマカロンは衝撃的でした。マカロン好きな人にこそぜひ食べて頂きたい逸品です。そして、同封されていたチラシに書かれてあった一文。「プレミアムマカロンはシェフが気分で作る実験的なマカロンなので、日本の皆さんの口に合わないことがございますので注意下さい。でもハマったら幸せ!そんなマカロンです」と書かれてありました。こういうのがニクイ!!日本ではなかなかない、ムラタシェフしか作れないクリエイティブなオリジナルマカロンをもっと味わってみたいです。
2011年3月11に起きた東日本大震災。地震と津波により、宮城県多賀城市も大きな被害を受け、ムラタシェフのお店や厨房は水に浸かり、全滅だったそうです。でも気持ちを切り替えて、今出来ることをスピーディーにまとめて実行し、震災からなんと4か月後というハイスピードで再びお店をオープンさせたそうです。その当時の様子がシェフのブログで紹介されていますが、その行動力の早さと実行力はなかなか出来るものではないと思いました。
でも甘いお菓子は人を幸せにします。その熱い思いが自らを奮い立たせ、早期の再建へと繋がったのではないかと思いますし、そのシェフの行動力は被災者の皆さんにとっても励みになったのではないでしょうか。マカロン以外の洋菓子もどれも美味しそうなので、機会があればぜひ直接お店に伺ってみたいと思います。
宮城県多賀城市町前3-2-25
TEL:022-362-7767
※掲載情報は 2016/11/25 時点のものとなります。
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キュレーター情報
日本フードバランス協会代表
小針衣里加
2012年 日本フードバランス協会を設立し、代表に就任。バランスのよい食事を実践するための食べ方、選び方、調理法、 栄養学、美容、ダイエットなどについて学ぶ食の資格「フードバランスアドバイザー講座」の講師を務め、誰でもすぐに実践できる内容に定評がある。2003年より主宰している,おもてなし料理教室、有名シェフによる 料理教室「シェフズクッキング倶楽部」のプロデュースも行う。資格講座、料理教室、食・美容に関するカルチャー講座など年間70回以上の講座や教室を開催し、瞬時に満席になり、リピーターも多い。