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「星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコート」では2016年春より、それぞれの季節にもっとも旬を迎えた素材でスイーツを作る「スイーツコレクション」を展開しています。
豊穣の秋のテーマは、“ペアリング”。
洋ナシ、ぶどう、栗など信州産の秋の実りを使ったコース仕立てのスイーツと、コーヒーまたはワインのペアリングを楽しむ「軽井沢スイーツコレクション2016秋」を、2016年9月12日~11月25日の期間限定で開催しています。
軽井沢の美しい秋の景色と共に、3品からなるスイーツコースとドリンクのマリアージュをぜひお愉しみください。
スイーツとコーヒー ~香り立つ、秋のきざし~(9月12日~10月2日)
秋の始まりは、爽やかな酸味と芳醇な香りを放つフルーツが実る頃。
素材を素材以上に美味しくスイーツへと仕立てるパティシエの技術に、個性豊かなスペシャルティーコーヒーを巧みにあわせて。
シェフ・パティシエの厚東宣洋氏と、丸山珈琲バリスタ ハルニレテラス店店長松本祐樹氏によるスイーツとコーヒーのペアリングをコース仕立ての「ムニュ・デセール」で。
1.秋の風
洋ナシとほうじ茶のクレマカタラーナ
×コロンビア・ロベルト・クチエ、ブラジル・イルマス・ペレイラ・ダブル
芳醇な香りをはなつ洋ナシのエスプーマに、シャクシャクとした食感のフレッシュの梨の果実とほうじ茶が香る‘クレマカタラーナ’。
香り豊かな洋ナシと水分豊かな和梨のそれぞれの長所を活かし、ほうじ茶の趣深い香りと合わせて。
ほろ苦いカラメルの食感にひんやりと冷たい、秋風を感じる一皿。
洋ナシの香りを際立たせる“コロンビア・ロベルト・チクエ”に、ほうじ茶のクリームとキャラメルは “ブラジル・イルマス・ペレイラ・ダブル”を合わせて。
それぞれ異なる味わいは、ふわりと抜ける香りも感じる2つのショットグラスで。
コーヒーの香りと酸味が、スイーツの後味にそっと寄り添います。
2.遠足
パン・オ・レザン×ケニア・ニエリヒル
‘パン・オ・レザン’に見立てた愛らしい一皿。
ロール状に描いた山ブドウのソースにジューシーなナガノパープル、甘みと香りを凝縮した巨峰のセミドライにシナモン風味のパンペルデュ、そしてハシバミのクリームとカリカリとしたハシバミの糖衣かけ、更にパンの仕上げに用いるグラスアローまでも薄い飴で仕立てて。
ベーカリーの‘パン・オ・レザン’では味わえない、ジューシーな果実を感じるデザートの‘パン・オ・レザン’です。
長野県産のハシバミは、イタリア・ピエモンテ産のノワゼットにも似たコク深く穏やかな香味。
初体験の巨峰のセミドライは、レーズンよりも格段にふくよかで贅沢な味わい。
グレープのフレーバーと独特の酸味をもつ‘ケニア・ガチャタ’は、しっとりとしたパンペルデュの味わいにキレの酸が追いかけて、すっきりといただけます。爽やかな白ワインのようにワイングラスで。
このコーヒーはジューシーで重厚な酸味をもち、ホットだと甘さが際立つのでシャープなキレを出すためにアイスで提供。
一度熱い状態で入れてから別のグラスに移し、88度まで冷まされているそう。
3.夕焼け
そば粉のデザートクレープ×エチオピア・ネキセ
温かなそば粉のクレープに添えられた3種類のクリームは、爽やかな酸味をもつ青りんご‘ブラムリー’のピューレに、蕎麦の実が香るシャンティイ、そして焦がしバターとサワークリーム。
クレープ生地はやや厚めのもちもちとした食感で、中には砂糖のみ。シンプルに甘く焼き上げたクレープをそれぞれのクリームと一緒にいただくことで、様々な味わいに変化します。
飾られているフレッシュのブラムリーのシャープな酸味がアクセントに。
異なる3種類のソースをバランスよく引き立たせるエチオピア・ネキセは、口径の広いワイングラスで。
70度という心地よい温度で、フローラルな香りを堪能することができます。
アフリカ産のコーヒーは、豊かなでフルーティーな香りが広がりペアリング向き。
スイーツありきで考え、素材から相性をイメージしたというコーヒーのペアリング。
香りやコク、苦味や酸味。
当然のことながら、種類によって味も香りも全く異なり、それぞれに違うキャラクターを持っています。
1種類のスイーツに対し、4~5種類のペアリングコーヒーを考え、その中から皆さんで一緒にセレクトされたそうですが、どれもほぼ全会一致で決まったのだそう。
それほどの相性の良さという証ですね!
またコーヒーがあまり得意ではないという方も、このペアリングを試してみることで、コーヒーに興味を持ちその美味しさに開眼されたのだとか。
普段はあまり飲み比べる機会のない奥深い味わいのコーヒーと、地元信州産の素材を使用し、素材の味わいを最大限に引き出したスイーツ。
お互いの良さを打ち消し合うことなく両者が共に歩くイメージで、見事なペアリングコースに仕立てられています。
今秋のコーヒーペアリング期間は終了していますが、今後季節毎の開催を予定してらっしゃるとのこと。
季節ごとの旬の素材とのペアリングが、楽しみですね!
スイーツとワイン ~ワインと共に深まる秋(10月3日~11月25日)
色づく木々が甘い香りを放ち美しく彩る紅葉の季節は、ほっくりした栗や甘いりんごが実る頃。
強い味わいをもつ素材にフランス伝統菓子の技術を巧みに使い分けて、芳醇なワインとあわせて。
アルコールと共にスイーツを味わう、リゾートならではの午後のひとときを愉しむことができます。
1.秋の薫り
洋ナシとブリオッシュ×洋ナシのシャンパンカクテル
洋梨を存分に活かした1品目は、シャキシャキとした食感も残して軽く焼いた洋ナシに、なめらかな洋ナシのクリーム、素材を感じるピューレとパリパリとした薄い飴。
こんがりと焼いたブリオッシュと一緒にいただけば、バターと洋梨の芳醇な香りが広がります。
<マリアージュポイント>
泡と共に広がるワインの香りと甘味が、クリームの軽やかさや飴の食感とマッチ。洋ナシのソースを注いで味わいの変化も楽しめます。
2.栗拾い
様々な仕立ての栗×小布施ワイナリー アマローネタイプ2004
信州は栗の名産地。
2品目のメインデセールには、小布施から届く大きな栗を使用。
ほっくりとした栗のペーストに焼き栗のアイスクリーム、さらにモミジを象った薄焼きのチュイルを飾って華やかに。
味のアクセントには、唐辛子のメレンゲと爽やかなりんごのコンポートを。
りんごは真っ赤な果肉が特徴の品種‘きらめき’を使い、信州の秋を愛でる可憐な一皿です。
<マリアージュポイント>
ほっこりとした甘味が特徴の栗と同じ小布施で育ったワイン。スモーキーでノスタルジックな香りと、メルロー独特の酸味はリンゴにもよく合います。
3.森の贈り物
木々を彩る小菓子×山辺ワイナリー ヴァンド ソレイユ サンミニヨン
タルトやキャラメル、フィナンシェなどのフランス伝統菓子に、蕎麦や胡桃、山椒など信州ならではの食材を組み合せたホテルオリジナルのミニャルディーズ。
10種類の小菓子がコースのクライマックスを華やかに彩ります。
<マリアージュポイント>
ブドウのエキスが詰まった糖度の高いデザートワイン。コースの余韻に浸りながらゆっくりと楽しむことができます。
山脈が黄金色に輝く晩秋に届く栗や胡桃、りんごをスイーツに仕立てて。
合わせるソムリエが厳選するワインは、シャンパンカクテルやデザートワイン。
味わうごとに秋の情景が広がる、スイーツなひとときを提案してくれます。
丸山珈琲とコラボレーションした “クグロフ・カフェ”
クグロフは、フランス北東部アルザス地方の伝統菓子。
こちらでは、クグロフに軽井沢発祥のスペシャルティーコーヒーの銘店「丸山珈琲」の厳選したコーヒーと胡桃をあわせて、オリジナルのクグロフを作られています。
しっかりとした食感の生地にローストした胡桃や珈琲の香りを閉じ込め、仕上げには胡桃と珈琲豆の形をした可愛らしいチョコレートを飾って。
コーヒーはエスプレッゾブレンドを超微細粉にし、生地に混ぜ込まれています。
グラスアローには、エスプレッソを抽出したものをプラス。
クグロフだけを食べるとやや甘めですが、しっかりとボディのあるコーヒーと一緒にいただくとちょうどいい甘さになるよう工夫されています。
コーヒーをとても贅沢に使っているので、噛めば噛むほど香りと風味が余韻に広がるコーヒー好きにはたまらない美味しさ。
軽井沢のシンボル「浅間山」を象ったパッケージは、軽井沢土産としても人気を博しています。
ぜひ、間違いなく相性抜群の丸山珈琲さんの珈琲とセットでお愉しみください!
※掲載情報は 2016/10/09 時点のものとなります。
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キュレーター情報
スイーツコーディネーター
松本由紀子
スイーツコーディネーター&ライター。
一般雑誌、菓子専門誌、TV、ラジオ、webサイトと多岐にわたり、ライター&コメンテーターとしてスイーツ情報を発信。スイーツ関連メーカーのコンサルティングを務め、商品開発、コラボ商品の企画、マーケティングに携わる。スイーツ講座(定期/単発)の講師も務める。
10名のパティシエの珠玉の一品!を集約したDVD 『Sweets美術館』をプロデュース&出演。
http://www.amazon.co.jp/Sweets美術館-2012-松本由紀子/dp/B00BPJSFF2
百貨店催事やイベントをプロデュースし、「スイーツコーディネーター松本由紀子セレクション」なる冠催事を展開。
*2012年11月~:フランスフェアー@JR大阪三越伊勢丹
*2014年2月:サロン・デュ・ショコラ@JR大阪三越伊勢丹
*2015年2月:アムール・デュ・ショコラ@大阪高島屋
*2015年10月~:松本由紀子セレクション@阪急うめだ本店
ORIGINE KOBEの広報を務める。
http://r.gnavi.co.jp/ippin/article-2060/