本物のポテトサラダ 帝国ホテルのポテトサラダが美味しいわけ

本物のポテトサラダ 帝国ホテルのポテトサラダが美味しいわけ

記事詳細


紹介している商品


帝国ホテルの絶対ポテトサラダレシピ

本物のポテトサラダ 帝国ホテルのポテトサラダが美味しいわけ

自宅でよく作って食べているのに、さらに外でもメニューにあるとついつい頼んでしまう一品があります。その名は「ポテトサラダ」です。フライドポテト、ポテトチップから肉ジャガ、ポテトコロッケと、元々ジャガイモが大好きなのです。人によっては、カレーライスのジャガイモを嫌う方もいますが、ごろっとしたジャガイモが入っていないとダメなのです。常備野菜も、ジャガイモとタマネギは欠かさずにあります。このジャガイモとタマネギがあれば、簡単に「ポテトサラダ」を作ることが出来ます。私も何回作ったことでしょか。数えていませんが、おそらく四桁に近い数字だと思います。

 

が、しかしですよ、今回ippinで取り上げる「ポテトサラダ」の原稿を書く時に、調べ物をしていて、過去の自分のポテトサラダの作り方に大きな欠点があることの気がついたのです。地下鉄で自宅から日比谷まで15分程度の距離のため、映画や美術館の帰りにインペリアルバーで一杯飲んだりしています。また、帝国ホテルのパンや総菜を売っている「ガルガンチュワ」もたまに立ち寄っては、晩ご飯用の買い物をしているのです。そのガルガンチュワで購入したポテトサラダサラダは何時もながらふわふわしたクリーミーな味わいで、やはり帝国ホテルのポテサラは旨い、と思っていたのです。同じポテトサラダでありながら、プロの作るものと家庭で作るものは素材も作り方も違うのは当然ですが、なぜ、この味になるのか気になってしまったのです。以前の話ですが、私の雑誌の連載シリーズで帝国ホテルの田中健一郎総料理長から「オムライス」を習い、取材撮影したことがありました。今から考えると帝国ホテルでは「オムライス」、銀座資生堂パーラーでは「チキンライス」、代官山小川軒では「オムレツ」とそうそうたる老舗の一流料理人から直に手ほどきを受けていたのですが、その割には料理のポイントを外していたのでした。

 

テレビで以前、帝国ホテルのポテトサラダのレシピを紹介していたので、改めて、そのレシピを読み直ししてみました。ポテトサラダのメインのジャガイモは男爵芋とタマネギのみで、ジャガイモは皮付きのまま、水から茹でます。その間にタマネギをスライスして、塩をして水分を出しておきます……。普段から手慣れて作っているレシピの手順で、ジャガイモにはマスタードとヴィネガーとオリーブオイル(帝国ホテルはサラダ油)でドレッシングを用意します。茹で上がったジャガイモの皮をむいてスライスして、ジャガイモが熱い状態でドレッシングと混ぜ合わせて塩コショウする。そして、マヨネーズを!?あれ、帝国ホテルのレシピは「下味がついたジャガイモにラップをして30分冷蔵庫で冷ます」とあるではないですか!「ガーン!」今まで、粗熱の取れていないジャガイモにマヨネーズを混ぜていたのでした。

本物のポテトサラダ 帝国ホテルのポテトサラダが美味しいわけ

自宅でポテトサラダを作る時は、同時に幾つもの料理を作っているため、おまけ的に(ついでに)作っていたので、流れの中で、一度冷蔵庫へ入れずに、そのままマヨネーズを入れて、ジャガイモとタマネギを入れて混ぜていたのです。よくよく考えれば分かることですが、マヨネーズは熱によって酢と油分と卵黄に分離してしまうのです。マヨネーズは、元々『乳化』という状態で、うまく混ざり合って作られているのですが、熱によって分離してしまうと分離した状態でジャガイモに染み込むことになり、出来あがったポテトサラダはねっとりとした油っぽいものになってしまい、水分も流れてきてしまうのです。今回、帝国ホテルのポテトサラダのレシピを確認しなければ、ずう〜っと間違った作り方をこれからもしていたことでしょう。

 

毎日の家庭料理のお惣菜ですが、帝国ホテルで食事するのはちょっとと思われる方でも、「ガルガンチュワ」のお惣菜なら手頃(と、言っても高いですが)なので、一度食してみて、わが家流のポテトサラダの標準化にしてはいかがでしょうか。私は、初心に帰ってポテトサラダをちゃんと手抜きせずに作ってみます。

本物のポテトサラダ 帝国ホテルのポテトサラダが美味しいわけ

※掲載情報は 2016/09/23 時点のものとなります。

  • 16
ブックマーク
-
ブックマーク
-
この記事が気に入ったらチェック!
本物のポテトサラダ 帝国ホテルのポテトサラダが美味しいわけ
ippin情報をお届けします!
Twitterをフォローする
Instagramをフォローする
Instagram
Instagram

キュレーター情報

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

アートディレクター・食文化研究家

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。

次へ

前へ