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頬ずりしたくなるやわらかさ シルクの舌触り
「新出製パン所」は、金沢市浅野本町にある人気の食パン専門店。開店から閉店まで、ひっきりなしに車が入っては出ての人気っぷりなんですよ。店内には焼き立てがどんどん並びますが夕方前には品切れになる日が多いようですから、確実に手に入れたいのであれば午前中に行くのが○。
販売スペースのすぐ横は工房で、ガラス張りになっているので、その臨場感もたまらない。焼きたてのアツアツがすぐに売り場に並び、すぐに売れ、またすぐに焼きたてが並ぶというこのサイクルは最高です。
プレーンの食パンはもちろん、練り込みや味付けをした食パンや惣菜系の食パンなどバリエーションが豊富で、焼き印が押された食パンがずらりと陳列しています。
中でも人気ナンバーワンは、「匠-TAKUMI-」。
断面はピュアホワイトで、思わず頬ずりしたくなるやわらかさ。「まるでシルクのような」と言っても大袈裟ではありません。きめ細かな舌触りとふんわりした食感を感じてすぐに、じんわり立ち上がってくるのは深みと自然な甘さ。
シンプルを極め続ける店主の誠実さが、そのまま伝わるような味わいです。
この食パンにコーヒーがあれば、毎朝幸せな気分でスタートできること間違いなし。
大人の贅沢 金沢大野のお醤油食パンと加賀棒茶パン
その他にも、金沢市大野醤油と胚芽を生地に練り込んだ「お醤油食パン」は、袋を開けると、もふもふと甘く香ばしい香りが鼻腔をくすぐります。トーストするとお醤油の風味が立ち、香ばしさが増します。バターのせもオススメですよ。
「加賀棒茶食パン」は、つぶ餡を混ぜ込んだ和菓子のような食パン。加賀棒茶の馥郁たる香りは大人の贅沢で、風味もご馳走です。気づいた頃には一斤無くなっているかも(笑)。
今日もお腹いっぱい!あすかりんでした。
※掲載情報は 2016/05/30 時点のものとなります。
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キュレーター情報
一級フードアナリスト、利酒師
雅珠香(あすかりん)
金沢を中心に年間約600軒食べ歩くフードライター、通称あすかりん。
日本フードアナリスト協会認定1級フードアナリスト、SSI認定利き酒師、日本箸教育講師、食の親善大使「食のなでしこ2013」準グランプリ
著書に「あすかりんのおいしい金沢」「あすかりんのおいしい能登めぐり」がある。
北國新聞・富山新聞朝刊「あすかりんのランチで満腹」(毎週月曜日)連載中