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記事詳細
昔ながら博多で親しまれてきたお菓子
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もうすぐ福岡に夏がやってきます。あと1か月を過ぎると博多の街では、「博多祇園山笠」という博多の街が一丸で1年かけて取り組まれるくらいのお祭りが行われ、この画像のように福岡市内の男性が恵比須流・大黒流・土居流・東流・西流・中洲流・千代流の7流に分かれて、7月1日のしめ下しから15日の追い山笠まで様々な行事をこなしながら、博多の町を清めてまわり疫病退散を祈祷したことを発祥とする通説があります。
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その山笠をモチーフとしてお土産としても多く親しまれている「二〇加煎餅」は、博多の街を題材に表現され、包装の裏側には博多弁の説明まで記載されているユーモアたっぷりな煎餅です。
そして包装紙をとると箱のデザインはまた別のものとなり、昔ながらの絵が今でも親しまれています。
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二〇加煎餅の通常サイズは単行本より一回り大きいくらいのサイズで、中にそのサイズの瓦煎餅が入っています。割りながら食べるサイズですので数人で分けて食べると楽しいかもしれません。
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この顔が描かれているのが、なんとも言えない風格を醸し出しています。見ていると自然と笑顔になりませんか?私は今までに何度もお土産に持って出かけました。
面白さでは一番親しみやすい煎餅というのが一番の理由です。特に海外や日本を訪れた外人さんにプレゼントすると大喜び。
博多に触れながら、日本に昔から伝わる瓦煎餅を味わっていただくことが出来る機会となります。
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その時に受け取られた方々が絶対に喜んで手に取るものが箱に入っているのですが、この二〇加煎餅と同じサイズのお面です。
これが面白くて、このお面が祇園山笠の追い山の出発点である櫛田神社付近にある博多町屋ふるさと館に出向いて、色々なお面を拝見してまいりました。
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こんな風にユーモアがたっぷりで、顔がほころんでしまいますよね。
そもそもこのお面をかぶり、博多の街を歩いて謎の問題をしかけて人々を笑わせるために作られ、いつの日かそれを「仁和加」というようになったのが始まりだと言われ、のちには演劇として語り継がれてきたものだそうです。博多の人情味あふれるところが詰まった、愛されるお菓子です。
福岡の博多駅や空港からも近い博多地区。二〇加煎餅を片手に訪れる際には、ぜひこの歴史ある場所へはお勧めです。
博多祇園山笠もお見逃しなく!
※掲載情報は 2016/05/30 時点のものとなります。
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キュレーター情報
スイーツプランナー
山口真理
福岡と東京を拠点とし、カフェや企業などのメニュープランニング多数。全国を訪れて生産者と出会い、食卓をつなぐパイプ役として素材をベストな状態でスイーツに添えるレシピ提案をする。福岡県農商工連6次化産業開発アドバイザー。農家をピックアップした冊子と食材をセットで送る「ふくおか食べる通信」レシピコーナー撮影フードスタイリスト並びにメニュー開発。フードコーディネーターとして撮影スタジオでのフードスタイリングも多数。Yahoo!JAPAN「日本の定番選定委員会スイーツ101」選定人。フェリシモ商品「シリコン型お菓子の会」「ミニシリコン型お菓子の会」プロデュース。フェリシモ出版「毎日のごはんを楽しく作る雑貨のカタログSweetsBook」ポプラ社「スイーツの仕事」出版。文化放送「ピピットサンデーWakuwakuMix」出演。