そのままかじりたくなる、ブレス産バターの愉悦

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プチプチの岩塩も旨いブレスバター

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わが家では普段は和食中心の食事ですが、たまには洋風のものもいただいてます。シチューやポトフにステーキなどにはやはりパンが欲しくなります。別にそのままバゲットのままで食べても良いのですが、絶対にバターが必要です。実はかなりのバター好きなのです。フランス料理店に行っても、たっぷりのバターを出してくれるレストランが好きです。料理が出てくる前にパンにバターを塗って食べて、お替わりをしてしまうことも多々あります。レストランによってはバターを別料金で提供する店もあり、そのバターが好みの場合にはオーダーして残ったら持ち帰るほど。

 

パリを拠点にしているある料理研究家が日本で催した会食で、今回ご紹介するバターに出会いました。リヨンから北東約70㎞に位置するアン県の「ブレスのバター」なのです。ブレスというと、即座に思い出すのは”ブレスの鶏”なのですが、一度このアン県でブレスの鶏で有名なモントロン・レ.バンにある「レストラン ル プーラルド」へ大晦日に食べに行ったことがあります。今思い出すと、ダイニングの食卓にも「ブレスバター」が出ていたのです。

 

ブレスバターは、アン県のエトレ酪農協同組合(通称「エトレ」)により製造されています。エトレは、「自分たちの自慢の牛乳で高品質な伝統的製品を作りたい」と地元エトレの酪農家たちにより、1936年に設立されたそうです。フランスではAOC(フランスの原産地管理呼称統制)で、ユーロ圏になってからはAOP(EU全土における原産地統制呼称制度)で保護されているのですが、エトレの作るAOPバターは、厳しい審査の末、AOP認定を受けたのです。20の酪農家から毎日運ばれる新鮮な牛乳を使用し、伝統的な「チャーン製法」でバターマイスターと呼ばれる熟練の職人の手により、丹精込めて丁寧に作り上げられているのです。ブレス産AOPバターは無塩でAOPを取っていますが、ドゥミセル(加塩)タイプのバターは塩がブレス産ではないため、AOP認定を受けてません。AOPは本当に厳密で、この地域は残念ながら海塩も岩塩も取れない地域なのです。しかし、人気のドゥミセルタイプを熱望する声が高く、隣接するアルプス地方の岩塩を使って美味しいバターを作り上げたそうです。

 

この「チャーン製法」とは、大量生産が可能である連続式製法と言われる製法に対して、1度に少量のバターしか作らない希少なものなのです。歴史の本を読み解くと、ローマ時代には食用というよりもスキンクリームなどとして使われていたというバターは、実は貧しい人達が食べるものと見なされていたそうです。そしてバターの美味しさが認められて人気が出てきたのは17世紀頃になってからのことです。思ったよりもバターが食卓に登場してきた歴史は短いのですね。

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私的には加塩しているバターが好みで、ドゥミセル(加塩)のブレスバターをそのまま、かじると、岩塩は粒状でバターに入っているので、時々、舌にその粒を感じるのです。バターのミルク味に混じって、塩の粒があたってクセになり、パンに付ける他に、野菜をのせて食べても美味しいのです。まだ、試していなのですが、このブレスバターを熱々のご飯にのせて、醤油を少したらして食べたいと思っています。絶対に旨いはずだ!

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※掲載情報は 2016/04/29 時点のものとなります。

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キュレーター情報

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

アートディレクター・食文化研究家

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。

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