特製 秘伝の田楽みそ
高森田楽保存会 熊本県阿蘇郡高森町大字上色見2639
最近はご当地ゆるキャラ「くまもん」が超人気の熊本県は、別名“火の国”と呼ばれるほど、火山が多いです。阿蘇山もそのひとつで、2015年9月には噴火警戒レベル3となりましたが、現在は2で、火口1km以内は立ち入り禁止です。と聞くと大変そうですが、実際は、周辺の地域は至って普通に暮らしています。僕も先月、レンタカーを借りて行ってきました。雄大な阿蘇山は、相変わらず素敵でした。
そんな阿蘇に高森町という地区があります。味噌田楽がとても有名な地で、なかでも「高森田楽保存会」という店舗が先駆けで、今も大評判。歴史を感じさせる広々とした建物は、築140年以上経っているとか。そして店内随所に囲炉裏が設置され、気軽に田楽が楽しめる雰囲気が満載です。店を守るのは本田研一さん。もともとお爺様がこちらで開業医をなさっていて、お父様が店舗に変えたそう。生揚げやだんご汁なども付いた「高森田楽コース」を頼めば、串にささり、味噌田楽が塗られた鶴の子芋やコンニャク、豆腐などが目の前の囲炉裏にセットされます。そして焼き上がったら、熱々なのでハフハフ言いながら一口。旨~~い!! 素材の良さもさることながら、味噌田楽の味が超ぴったり。
そう、今回ご紹介するのが、この「特製 秘伝の田楽みそ」。見た目は凄く黒々していますが、奥行きのある甘さを携えているのです。使用しているのは大豆や米、大麦と赤酒、地酒、かつお、砂糖など。おそらく、この味噌田楽は何に塗っても美味しくなってしまうという、いわば“魔法の調味料”。それがご家庭でも楽しめちゃうのですから、驚きです。常温(冷暗所)でOKなのも手軽で嬉しいです。
高森田楽保存会 熊本県阿蘇郡高森町大字上色見2639
※掲載情報は 2016/04/05 時点のものとなります。
フードジャーナリスト
はんつ遠藤
東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。