お花見シーズンに最適!【春限定のお酒】

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お花見シーズンに最適!【春限定のお酒】

今年の東京の「桜の開花宣言」が気象庁より発表されたので、今回はお花見シーズンにピッタリの、こんなお酒を紹介したいと思います,その名も、【桜吹雪 特別純米 うすにごり生】です。

 

これは広島の金光酒造が、毎年桜の季節に合わせてリリースしている特別なスペックのお酒で、この蔵元から全国向けに出荷されるお酒には、通常「賀茂金秀」というブランド名が付けられているのですが、この「春限定」のお酒に関しては「桜吹雪」という名前が冠されています。

 

色調はごく淡い山吹色で、まるで「桜の花びら」をイメージさせるように、薄く「にごり」があってカスミがかっています。香りのトーンは中程度で、「蜜の入ったりんご」を想わせる果実の香りや、「シクラメン」のような花の香りがあり、「ほんのり甘く華やかで、上品かつエレガントな香り」が感じられます。

 

口当りはスムースで、自然で透明感のある甘味と鮮やかな酸,そしてビロードのようなしなやかな旨味に心憎いドライ感を伴った苦味が加わって、四つの味が口の中で次々と展開されてゆきます。

 

味の余韻はやや短めで、舌に上に残る微発泡感がフレッシュな印象を醸し出し、後口はキレイに切れてゆきます。

 

コクやボリューム感も程よくあり、「軽やかかつ活き活きとした飲み口で、絶妙な複雑感と微発泡感が素敵に融合したフレッシュな味わい」のお酒でした。

 

こんな「春爛漫」な香りと味わいのお酒なので、春の味覚を代表する食材と「春限定」で造られたチーズを、それぞれ一品ずつセレクトして合わせてみました。

1品目:若竹の子の水煮

お花見シーズンに最適!【春限定のお酒】

まず1品目は【若竹の子の水煮】です。

 

今回選んだのは京都産の「孟宗竹の若竹」で、この時期の竹の子料理と言えば「ワカメ」と一緒に出し汁で炊いた「若竹煮」が定番なのですが、素材本来の味を愉しむ為に、敢えて水煮にしたものに鰹節をかけただけのシンプルな形で味わってみました。

 

縦割りにしてかぶりつくと、肉厚で柔らかくてシャクシャクとした歯応えが心地よく、思ったよりもエグミが少なくて、竹の子独特のフレーバーが口いっぱいに広がります。

 

そのタイミングで「桜吹雪」を合わせてみると、若竹の子の持つフレーバーは消さずに、ほのかなエグミだけをこのお酒の上品な甘味が包み込んで消し去り、微発泡の爽快感と共に両者が口の中でスッキリと寄り添ってゆきます。

 

旬のお酒と旬の素材の出会いによる、フレッシュ&フレッシュな組み合せでした。

2品目:さくらチーズ

お花見シーズンに最適!【春限定のお酒】

続いて2品目は【さくらチーズ】です。

 

これは北海道上川郡にある共働学舎農場から、この時期にピンポイントで出荷される「酵母熟成チーズ」で、私も毎年店頭に並ぶのを愉しみに待っている商品の一つです。

 

写真の通り、てっぺんに「桜の花の塩漬け」を乗せて「桜の葉」でくるまれていて、包みを開けると「桜餅」を想わせるような優しい香りがフワリと漂います。

 

内側は真っ白で、程好い酸味とほのかな甘味と塩味があり、フランスのロワール地方産の「シェーブルチーズ」に似た味わいと舌触りが感じられます。

 

合わせてみると、まずはこのお酒の鮮やかな酸と「さくらチーズ」の爽やかな酸味が同調し、そしてこのチーズのほのかな塩味と「桜吹雪」の純粋でキレイな甘味が上手くバランスを取り合い、最後には余韻のドライ感がやや増幅されてゆきます。

 

「さくら」チーズのほのかな桜のフレーバーと、「桜吹雪」の上品かつ華やかなフレーバーに包まれて、とっても優しい気持ちにさせてくれる組み合せでした。

 

ちなみに、この「桜吹雪」が本領を発揮する温度帯は5度以下の「雪冷え」だと思われるので、春の日差しを浴びながら満開の桜の下でこのお酒を呑む時は、直前までクーラーボックスに入れてしっかりと冷やしておくか、別途氷を用意しておいて「オンザロックス」で愉しむというスタイルがオススメです。

 

何はともあれ、「お花見」という日本古来の春の行事に合わせて、こんな素敵な「花見酒」が呑めるという幸せに乾杯!

 

【今回紹介したお酒】
●商品名:「桜吹雪」特別純米 うすにごり生
●販売先:金光酒造(広島県・東広島市・黒瀬町)
●アルコール度数:16%
●参考価格(税抜):1800ml 2700円

※掲載情報は 2016/04/01 時点のものとなります。

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キュレーター情報

佐藤茂夫

酒匠・シニアソムリエ

佐藤茂夫

飲食業界に携わって今年でかれこれ30年目となりますが、その間にビヤホール,ブラッスリー,居酒屋,焼肉店,トラットリア,アイリッシュパブ,大型バーベキューレストラン,北海道料理店etc.の様々な業態のお店を渡り歩きました。
またその一方で、「ソムリエ」「利き酒師」「焼酎アドバイザー」「酒匠(さかしょう)」etc.のお酒に関わる様々な資格を取得し、2006年に開催された「第2回世界利き酒師コンクール」では、2度目のチャレンジで優勝を果たすことができました。
本業の合間には、これまで得た知識と経験をもとに、SSI (日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)が主催する、日本酒の利き酒師講習会で講師役なども務めております。
素晴らしい日本酒の魅力を、できるだけ多くの人に判り易く伝えてゆきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願いします。

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