バリスタ世界チャンピオンがすすめる、コーヒーと一緒に食べたい味は?

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ノルウェー人にとってのソウルフード

最近、日本でも注目されるようになったバリスタの世界大会(World Barista Championship)。WBCは2000年にスタートし、現在16名の世界チャンピオンがいます。そのうち6名が北欧出身で、デンマークから4名、そしてノルウェーからは2名の世界チャンピオンが生まれています。

 

ノルウェーというとフィヨルドとオーロラ。そんな大自然のイメージで語られることが多いですが、じつはおいしいコーヒーの本場でもあります。


バリスタ世界チャンピオンの一人、ティム・ウェンデルボーは2004年に世界チャンピオンに輝いて以来、カリスマ的な魅力で世界のコーヒーシーンを牽引してきました。ノルウェーの首都、オスロには彼の名前を冠したコーヒーショップがあり、世界中からコーヒーファンが訪れています。彼が書いた本「COFFEE with Tim Wendelboe」はコーヒーマニアのバイブルとなり、昨年には日本語版も出版されました。

バリスタ世界チャンピオンがすすめる、コーヒーと一緒に食べたい味は?

もう一人の世界チャンピオン、ロバート・トーレセンは初代バリスタ世界チャンピオン。北欧でエスプレッソバーの先駆けとなる名店『JAVA』や、ノルウェーではじめてドリップやエアロプレスなどの抽出法で1杯ずつ丁寧に淹れるスタイルを取り入れた『MOCCA』の創業者であり、現在の北欧のコーヒースタイルを創りだした一人。いまはスペシャルティコーヒー専門の焙煎所『KAFFA』を率いる一方で、コーヒー産地に足を運び、生豆のトレードにも力を入れています。

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このロバートに「コーヒーと一緒に味わうなら、何がいい?」と尋ねたところ、おすすめされたのがブラウンチーズのオープンサンド。

 

ブラウンチーズといえばノルウェーを代表する味。チーズを作る際に乳清がカラメル色になるまで煮詰めることで独特の茶色になり、甘じょっぱい味わいが特徴です。ヤギ乳を使ったものがとくに有名で、スーパーマーケットでも必ず数種類が置いてあり、ブラウンチーズのオープンサンドといえばノルウェーカフェでは軽食の定番なのです。

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JAVAで出しているのは、契約している小さな農場から取り寄せたブラウンチーズ。スーパーで見るものよりも色が濃く、味も絶品。チーズと黒パンの間にドライアプリコットが挟んであり、これが絶妙の取り合わせなのです。

 

ロバートがブラウンチーズをすすめたことは、少し意外でもありました。なぜならブラウンチーズはどちらかといえば癖のある味で、彼らが提供する極上のコーヒーの味を邪魔してしまうのでは?と思ったのです。それが実際に『KAFFA』の少し酸味のきいた浅煎りコーヒーと一緒に食べてみると、確かにコーヒーによく合います。子どもの頃から家でコーヒーを淹れ、ブラウンチーズを一緒に食べていたというロバート。「ブラウンチーズは甘みがあって、コーヒーとの相性がいいんだ。僕はコーヒーには砂糖やミルクを入れないけれど、コーヒーに合わせて甘いものを食べるのは好きだよ。パンとバターとこの甘いチーズは、とてもいい組み合わせなんだ。」ノルウェー人の家庭には必ずあると言われるブラウンチーズ。世界チャンピオンとなり、新しいコーヒーの世界を切り拓いたロバート・トーレセンにとってもブラウンチーズはなお、コーヒーとともにあるソウルフードであるようです。

 

JAVAで出していたようにドライフルーツを合わせたり、ベリーのジャムをのせて食べてもおいしいブラウンチーズ。ノルウェー人を真似て、ワッフルにのせて食べるのも最高です。そして、ぜひおいしいブラックコーヒーと一緒に楽しんでみてください。ホームパーティで出すと、その珍しい味や食べ方でとても盛り上がりますよ。日本ではアクアビットジャパンの通販で購入可能です。

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ちなみにブラウンチーズを食べる時にかかせないチーズスライサーはノルウェーの発明品。もともと貧しい国だったノルウェーでできるだけ無駄なくチーズを薄く切れるようにと発明されたのだそうです。今ではさまざまなデザインがあり、こちらもノルウェーみやげとして喜ばれる一品です。

 

新刊『3日でまわる北欧 in オスロ』では、今回ご紹介したバリスタ世界チャンピオン達の店をはじめ、オスロのカフェやおいしいもの、おすすめのおみやげなどを紹介しています。コーヒーに興味がある方、おいしいものが好きな方、北欧の旅を計画中の方、ぜひ手にとってみてくださいね。

紹介しているお店
アクアビットジャパン

※掲載情報は 2016/03/06 時点のものとなります。

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キュレーター情報

森百合子

コピーライター・北欧BOOK代表

森百合子

コピーライター。北欧BOOK代表。著書に『北欧のおいしい話』『コーヒーとパン好きのための北欧ガイド』『3日でまわる北欧』シリーズ(スペースシャワーネットワーク)、『北欧レトロをめぐる21のストーリー』(主婦の友社)など。フィンランドやスウェーデン大使館との仕事を通じて北欧の暮らしや文化への知識を広げ、執筆の他、監修、トークショーなど幅広く活動。定期的に北欧諸国を訪れて取材を重ね、食やコーヒー文化、ビンテージの生活道具などユニークな切り口で北欧の魅力を紹介している。東京・田園調布で北欧ビンテージ雑貨の店『Sticka スティッカ』も運営。http://hokuobook.com

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