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さいのね畑
さいのね畑の野菜セット(7種類)
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お野菜、どうしていますか?
教室やプライベートで聞かれることが多くなりました。そう、やっぱり、まいにちのごはんは、新鮮で信頼できる食材に、安心でおいしい調味料、シンプルな料理法が一番かなと思います。
と、拙著『明日から、料理上手』(小学館)でも、縷々書いております。たとえば、これから旬のトマトなら、そのまま+気に入った塩だけ。グリルで焼いて、醤油だけ、なんていうのが好きです。茄子も、焼くだけ、蒸すだけ、そこに酢と醤油、花かつおなんていうのがいい。
とくに、魚や肉と違って、野菜は調理法の前に、なによりも新鮮さです。中でも、有機栽培や作り手がこだわっている野菜を勧める理由は、身体にいいと言う前に、なによりおいしいから。昔ながらの野菜のうまみや、コク、甘み、苦みがなんとも愛おしい。
では、どこで?となり、冒頭の質問になるのかもしれません。
私は、だいたい3か所から取り寄せしています。
ひとつは、わが故郷、長崎から。もうひとつは、SNSで見つけた京都丹波の農園から。そして、もう一か所が、最近お仕事で出会った、今回ご紹介する『さいのね畑』さんです。
昨年9月から、農水省の「和食」の保護・継承に向けた委員会(ユネスコの世界無形文化遺産になったことから、和食をどのように継承・保護していくかを考え実行しなければならず、そのための専門家会議)の仕事をさせて頂いています。
その中で、国産の旬の野菜を知り、旬を大事にする和食文化を家庭でも継承しようよ、というワークショップがありました。そこで、出会ったのが、若き農家さんである、さいのね畑の竹川さんでした。脱サラして農業へ飛び込んだ、若き次世代農家さんです。ご本人もかつては、都会の最前線で働きくたくたになり買ってきた出来合いのものを食べていたそう。でも体調の悪さに、このままではいけないと、あるとき、産直のお野菜を取り寄せ始めたそうです。取り寄せてみたら、旬の野菜が色々やってくる。わわ、食べなきゃ、料理しなきゃ……ということで、いろいろ作って食べ始めるうちに、野菜の力に元気をもらい、魅せられ、ついには作り手になったと言うお話をうかがいました。
実は、この数年、私は思っていることがありました。みんな、レシピを作っている……それはもったいないな、と。なんのこっちゃ?と言われそうですね。説明します。
例えば、今日はハンバーグにしようと思うと、スーパーへ行き、その材料を買ってきて作る、他はあまり見ない……どうでしょうか?私はそれがなんとも残念!と思うのです。もしかしたら、今が走りのすばらしいトマトや、もう少ししたらタケノコ、はたまた鯵やさよりが、あるかもしれない。レシピを追いかけて作ると、そんな今イケてる食材との貴重な出会いを逃してしまいます。
かつてのように(あるいは今でも地方では当たり前のところがあると思いますが)市場へ行き、今日おいしい野菜や魚を見て、教えてもらって、それを食べるために料理する楽しさを知ってほしいな~それこそが、料理上手なんじゃないかな?と。(詳しくは、拙著新刊『明日から、料理上手』(小学館)で、お願いします)
だから彼女の、「野菜を取り寄せてみたら、届く野菜で旬を知り、それと向き合って料理するようになり、人生までも変わった」と話すのを聞きながら、大きく頷いていました。
このご縁で、彼女が育てる野菜を取り寄せてみることに。
まだ3カ月くらいですが、ほんとうにおいしい。なによりも鮮度に感動し、うまみの強さに感動します。
なにしろ新しいもぎたて野菜、元気です。そしておいしい。母でもある彼女がこだわってつくり安全で安心。これに加えて、ばりばりに旬の野菜、自然のものですから何が届くかわかりません。そこにワクワクしながら、レシピをつくるのではなく、届いた野菜をおいしく食べる料理を、ぜひ楽しんでみてほしいなと思うのです。
TOPで使用している写真は、赤カブと白カブでつくった、菊花かぶの甘酢漬け。
赤カブの方は、甘酒とかす酢で甘酢をつくりました。赤の色が美しく、うれしくなります。
上の写真は、もも色の大根をなますにしたもの(教室のPARTYです)。
季節のよって、野菜のラインナップは変わります。まずは、お試ししてみて、旬のタフでうまい野菜と相談しながら料理してみて下さい。
そこから、食卓全体が、暮らし方が、かわってくるかもしれません。
※掲載情報は 2016/02/21 時点のものとなります。
料理家
山脇りこ
主宰する代官山の料理教室リコズキッチンや、雑誌や書籍を通じて、和食をベースに現代のモダンなエッセンスを加えた家庭料理を、“作る楽しみ”を大切に、日々提案している。食材から味をひきだし、調味料は基本のものを最小限に、ひと手間は惜しまず、調理はシンプルに、という引き算の料理が得意。全国の伝統的な製法を守る醤油・酢などの蔵をまわり『調味料の教室』やWEBで紹介、発信。ライフワークとして『だしの教室』も続けている。農林水産省の 「 和食の保護・継承に向けた検討会 」 委員(平成27年)。料理本のアカデミー賞と言われるグルマン世界料理本大賞2014でグランプリ受賞。 『かけこみおだし塾』(講談社/日本図書館協会選定図書) 『かる塩・かる糖料理帖』(小学館) 『ていねいに仕込んで食べる 1週間のつくりおき』(ぴあ)など著書多数。アメリカを中心に『Banzai Banquets: Party Dishes that Pack a Punch』(Vertical社/講談社刊のおもてなし本の英訳)も刊行されている。