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ハンバーグやサンドウィッチなどに
「アイバル Ajivar」は、焼いたパプリカとナスをペースト状にした、セルビアやクロアチアなど旧ユーゴスラビアのあったバルカン半島の伝統的な調味料。保存料などを一切使わないナチュラルな素材で、甘さとほろ苦さ、それにまろやかなスモーキーな風味が混ざり合った、何とも後を引く味です。
現地のスーパーマーケットに行くと、さまざまなメーカーのアイバルがずらりと並んでいるのですが、まさに日本人にとっての味噌やしょうゆのような存在の、バルカンの故郷の味といえるでしょう。
アイバルはもともと、冬の保存食として晩秋から秋にかけて作っておく保存食でした。手作りするには手間がかかる上、パプリカを重量の3倍以上も使用するためちょっと日本で再現するのは困難だったのですが、昨年、旧ユーゴの国マケドニアからの輸入品が日本でも購入できるようになりました。
先日、セルビア大使館の方々に、「チェヴァプチチ」という郷土料理のソーセージ型ハンバーグをお出しする機会があったのですが、さっそく手に入れたピリ辛(ホット)味のアイバルを添えたところ、大変喜んでいただけました。
もちろん日本のハンバーグにも応用できます。アイバルにはパプリカのビタミンB6、ビタミンC、ベータカロチンなどが豊富で、材料はパプリカ、なすのほか、ひまわり油、食塩、青唐辛子(ホット)だけ。他に添加物などを使用していない自然食ですので、健康を気遣う方は、ドミグラスソースやケチャップの代わりとしても大変おすすめです。
他にも、サンドウィッチに塗ったり、ディップにしたりと幅広く使えます。味はマイルド、ホット、エクストラホットの3種類。今まで日本になかった味をぜひお試しください。
※掲載情報は 2016/02/13 時点のものとなります。
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キュレーター情報
各国・郷土料理研究家
青木ゆり子
雑誌「ぴあ」等の記者を経て料理に目覚め、2000年に「世界の料理 総合情報サイト e-food.jp 」を創設。以後、各国の「郷土料理」をテーマに、サイト運営、執筆、レシピ研究および開発、在日大使館・大使公館での料理人、料理講師等などに携わる。
地方色あふれる国内外の郷土料理の魅力を広く伝えるとともに、文化理解と、伝統を守り未来につなげる地域活性化をふまえて活動を行っている。
「世界の料理レシピ・ミュージアム」館長。著書「しらべよう!世界の料理 全7巻」(ポプラ社)、
「日本の洋食~洋食から紐解く日本の歴史と文化」(ミネルヴァ書房)。