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お湯を注いで3分でいただける料亭の味
京都・東山に本店を構える京懐石の「菊乃井」。ミシュランガイドの3ツ星店で、その名を世界に轟かせる名店です。店名は、豊臣秀吉の妻・北政所が茶の湯に使ったとされ、菊の花が咲くように湧き出たと言われる「菊水の井」。その井戸を守り、のちにその水で料理をするようになったことで、付けられた屋号です。さすが京都の料亭……出てくる人名、エピソードが違いますね(笑)。
菊乃井の創業は1912(大正元)年ですので、100年超えの老舗店でもある同店。敷居が高そうで気軽に行けるお店ではありませんが、私が今回注目したのは、同店の味を気軽に楽しめる加工食品の「にゅうめん」です。
菊乃井が手掛けるにゅうめんは、「鯛」「湯葉」「松茸」など7種類。その中で私が手に取ったのは「蛤(はまぐり)にゅうめん」です。包装も和紙をイメージした京風。中身は、特殊乾燥で仕上げた麺、ハマグリ2個、乾燥カットわかめ、液体スープ、薬味のゆず七味と、これだけで完成してしまう内容です。
作り方は器に麺とハマグリ、わかめを入れてお湯を注ぎ、3分ほど待ちます。そして液体スープを加えたら出来上がり。ひと手間も加えることなく、カップ麺を作る要領ですぐに食べることができます。まずはスープ。色・味とも上品、ほのかにハマグリが香ります。続いてにゅうめんをすすります。(こちらも“上品な量”かと思いきや)しっかり量がありますね。保存も利きますし、食欲無い時やちょっと小腹が……という際には重宝しそうです。もともと薄味なので、途中でゆず七味を入れることで“大人の味”への変化も楽しめます。京都を代表する料亭の京都っぽい逸品を、手土産にいかがでしょう。
※掲載情報は 2016/02/02 時点のものとなります。
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キュレーター情報
コピーライター、グルメガイド
菅野夕霧
コピーライター、PRコンサルタント、Yahoo!ニュース配信元の『市ケ谷経済新聞』編集長。グルメや酒、沖縄離島旅が趣味。特にランチは“狙い”を定め、日々電車に乗って都内を中心に食べ歩いている。甘いモノを苦手としている関係で、“甘くない”土産の逸品を追求中。現在、All Aboutグルメガイドとして老舗店を紹介する「100年店ランチ」、日本トランスオーシャン航空の機内誌『Coralway』にて、「小さな島の小さな食堂」を連載中。著書に『ヤフートピックスを狙え』(新潮社)など。