ELYSEE No.1
V&S Finland Oy
以前、皆さんに1840年代の難破船から引き上げられた幻のビールをご紹介させていただきましたが、実はこの話には続きがあったという話から今回は始めさせていただきます。
2010年にあるダイバーがフィンランド沖のバルト海で発見した難破船。そこから栓がされたビール瓶が見つかり、科学的に分析された結果1840年代のものだと判明。その後、その味そっくりなビールが作られて販売されているという話でしたが、当時その難破船からシャンパーニュが168本回収されていました。
このシャンパーニュも科学的に調べられ、コルクの刻印などから「ヴーヴ・クリコ」など3社が1840年頃までに製造したものと判明しました。その年代のシャンパーニュが発見されたのは、もちろん世界で初めてなので、世界的に大きなニュースとなりました。
そして、その引き上げられたシャンパーニュは今でも厳重に保管をされていますが、日本で初めてお目見えする事になりました。現在、上野国立博物館で開催中の「ワイン展 ~ぶどうから生まれた奇跡~」で、皆さんにご覧頂くことができます。さすがに飲む事はできませんが、ご覧頂き、170年海底で眠り続けたシャンパーニュを感じていただければと思っております。
さて、前回はフィンランドのビールに関するお話を少し紹介させていただきましたが、今回シャンパーニュの話題にもなりましたので、フィンランドにおけるワイン事情を少しご紹介しようと思います。フィンランドではアルコールというと「ビール」という人が多いくらいビールは昔から根強い人気があります。ただ近年ワインの需要も少しずつあがっていて、裾野が広がっています。
フィンランド西部の都市バーサ(Vaasa)にある「スンドム(Sundom)」というワイナリーは、世界最北のワイナリーとしても知られています。フィンランドのような寒いイメージがあるところでブドウが作られているのかと思う方々もいらっしゃるかもしれませんが、フィンランドには皆さんがご存知の「白夜」があり、単純な日照時間で考えるとイタリアの南部のワイン生産地と比べても1ヶ月程長いという事もわかっています。もちろん、生産量はまだまだ多いわけではありませんが、北欧のワインとしてこれから人気を博すかもしれません。
そしてフィンランドで造られるワインは、ブドウから造られる物よりも、ベリー系で造られるワインが多く、認知度も高いです。様々な種類のベリー系ワインがありますが、今回ご紹介したいのは、スパークリングワイン「ELYSEE No.1」。こちらは「スカンジナビア地方唯一のスパークリングワイン」として知られていて、白スグリから造られています。味わいは白スグリらしく甘く、爽やかな口当たり。ぜひ皆様にも体験してもらいたいスパークリングワインです。
V&S Finland Oy
※掲載情報は 2015/11/16 時点のものとなります。
フィンランド大使館
ムーミン、サンタクロース、サウナのふるさととして知られるフィンランドは、日本と外交関係を樹立してから間もなく100周年を迎えます。東京・名古屋・大阪から直行便で約10時間。一番近いヨーロッパの国として、季節を問わず日本から多くの観光客が訪れています。ムーミンやサンタクロース以外でも、美しい自然、優れた教育制度や洗練されたデザイン、高い技術力にゲーム産業やスタートアップなど世界から高い関心を集めているフィンランド。2014年にはムーミンの生みの親であるトーヴェ・ヤンソンの生誕100周年、2015年にはフィンランドを代表する作曲家ジャン・シベリウスの生誕150周年、2017年には独立100周年を迎えます。そんなフィンランドの情報を食文化という切り口を中心に皆様にお伝えしていきます。