勘三郎せんべい
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花街らしい艶っぽい街並みが人気の神楽坂。そんな神楽坂のランドマークである毘沙門天善国寺前に、老舗せんべい店の福屋があります。こちらの名物は「勘三郎せんべい」。同店をひいきにしていた歌舞伎役者、第17代目中村勘三郎ゆかりの一品です。せんべい作りを間近に見ていた勘三郎は、「もっと焼け、もっと焦がすんだ」と職人に“特別注文”をします。一見失敗作にも映るその焦げた見た目。しかし、これこそが勘三郎の要求とそれに応える職人技が昇華したものです。そんな名物誕生のいきさつが書かれているショップカードの表には、「備長の 手焼せんべの 焦げよろし」(勘三郎)という粋な一句が載っています。まさに常識にとらわれない“かぶいた”逸品、手土産にいかがでしょう。
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※掲載情報は 2014/11/03 時点のものとなります。
コピーライター、グルメガイド
菅野夕霧
コピーライター、PRコンサルタント、Yahoo!ニュース配信元の『市ケ谷経済新聞』編集長。グルメや酒、沖縄離島旅が趣味。特にランチは“狙い”を定め、日々電車に乗って都内を中心に食べ歩いている。甘いモノを苦手としている関係で、“甘くない”土産の逸品を追求中。現在、All Aboutグルメガイドとして老舗店を紹介する「100年店ランチ」、日本トランスオーシャン航空の機内誌『Coralway』にて、「小さな島の小さな食堂」を連載中。著書に『ヤフートピックスを狙え』(新潮社)など。