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長く熟成したからこそ濃厚で味わい深い
夏場はさっぱりとしたフレッシュチーズの人気が高いですが、秋が深まって来るこの時期は濃厚で味わい深いチーズの人気が出てきます。
今回は、秋にぴったりのフランス人が一番大好きなチーズといわれるコンテをご紹介します。名前が短くて1回聞いただけで覚えやすいチーズです。
以前、フランスの生産者を訪れた際に、何でそんなに人気があるのかを聞いたら「おいしいから」と答えてくれました。もちろん、このチーズすごくおいしいんです。
コンテはハードチーズで1個40kgもあります。
1個作るのに500リットルのミルクが必要といわれている巨大チーズ。長く熟成したものが日本では人気が高いです。
よく見て頂くと白い結晶がポツポツと見えると思います。これは、チーズの中のタンパク質が熟成によって分解されて、うまみ成分であるアミノ酸に結晶化したものです。この結晶が見えるのは熟成から1年以上経っている証拠で、1年も熟成させるとチーズはすごく旨みが出てきます。スーパーなどで量産チーズを買うときも、チーズに白い結晶がある熟成されたチーズを選ぶのもポイントの1つです。
コンテは着色禁止なので、春夏と秋冬によって色合いが変わります。
牛が青草を食べる春夏は色が濃くなり、干草を食べる時期は色が薄くなります。これからの時期は、干草を与えるので色の淡いクリーム色になります。コンテは青草由来の色が濃いコンテは複雑なしっかり味、色の淡い干草で造られたコンテは落ちついた味なので、その時の気分に合わせて選んでみてください。
意外にも栗きんとんにとても合うチーズ!
ここからは私・梶田からの、この秋おすすめの食べ方のご提案。
熟成が一年以上のコンテは旨みがあって栗のようなホクホクとした食感なので、栗から作られた栗きんとんと合わせてみると……。これがとっても相性がよいのです。さらにピノノワール主体の赤ワインを合わせてみたら、コンテ、栗きんとん、赤ワインがベストマッチ。チャンスがあれば、ぜひお試しください。
このほか、熟成一年以上のコンテにはビターチョコやホットコーヒーもよく合います。
いつも安定した美味しさで、私のチーズ教室の生徒さんの半数はコンテが1番好きなチーズと答えるほどです。旨みがしっかりのった味わいのチーズが美味しくなるこれからの季節には是非、フランスで1番人気といわれるコンテを味わってみてください。
※掲載情報は 2015/10/15 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フランスチーズ鑑評騎士
梶田泉
岐阜県岐阜市出身。20代半ば、ふとしたきっかけで通い始めたチーズ講座で徐々にチーズの世界に魅せられる。チーズ造りの現場を知りたくて、国内外のチーズ産地を訪れ知識を深める。2000年、フランスチーズ鑑評騎士叙任。雑誌編集の仕事をしながら、都内のワイン教室にてチーズ講座を10年以上担当し、2012年に独立。「かじたいずみチーズ教室」を立ち上げ、現在に至る。チーズを気軽に楽しむ講座からプロ向けの講座までの各種チーズ講座やワイン講座、食イベントなども開催。著書に「楽ウマ!チーズレシピ」(宝島社)。