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古来、月を愛でる風習のあった日本人。旧暦の8月にあたるこのころ、一年で最も美しい満月が見られることから、観月の宴が開催されたのがお月見のはじまり。江戸時代のころより豊作祈願や収穫感謝の意が加わり、お団子を供えたりすすきや萩を飾ったりするようになったのだとか。今年は9月27日が中秋の名月にあたります。この日ばかりは喧噪から離れて、のんびりと月を眺めてみませんか。もちろんお供にするグルメもお忘れなく。
1:完全自家製の上新粉が噛むほどに甘い、築地「茂助だんご」
まずはお月見に欠かせないお団子からご紹介しましょう。東京の団子好きで知らない人はいないと言っても過言ではない「茂助だんご」。東京・築地市場に本店を構え、創業は明治31 年。国産米コシヒカリを挽くところから始める完全自家製の上新粉のお団子は、噛むほどにお米の甘味や香りが感じられます。食べているときにお団子が回ったり落ちたりしないよう角形の串を使っているから、月にぼんやりと見とれても大丈夫ですよ。
2:夜空を照らす中秋の名月のようなまん丸な形の「言問団子」
同じく東京の名物団子をもうひとつ。東京向島名物といえば、小豆色、白、黄色の三色が美しい「言問団子」です。こちらの創業は江戸時代末期。在原業平が詠んだ和歌にちなんで名づけられたという由緒正しきお団子は、多くの文豪に愛され、店内には錚々たる作家たちによる寄せ書きが飾られています。中秋の名月そのもののようなまん丸な形のお団子は、目も舌も楽しませてくれること間違いナシです。
3:何本食べても食べ飽きない素朴で懐かしい「きなこだんご」
奈良市の『たまうさぎ』からは唯一のメニュー「きなこだんご」をご紹介します。同じ奈良県内にある名店『だんご庄』で修行を積んだ店主による「きなこだんご」は、シンプルながらも甘いだけではない、しっとりとしたきな粉が絶妙。元プロマラソンランナーの有森さんは“何本食べても食べ飽きない素朴なおいしさ”という前評判通り、8本入りをぺろりと食べきってしまったというから、食べ過ぎにはご注意を。
4:北海道でのお月見を計画したくなる「元祖 大沼だんご」
北海道の名物団子がこちら。大沼国定公園の最寄り駅前で明治38年に創業した『沼の家』の「元祖 大沼だんご」。駅売りから始まったことから折り箱に詰められただんごは、うるち米をメインに少量のもち米を合わせた俵型。甘塩っぱい“しょうゆ”とふわっとした甘みの“胡麻”が良く絡む、むにゅーっとしたやさしい食感は当日にしか味わえないというから、北海道でのお月見を計画してみたくなりませんか?
5:お月見の風習から名付けられた和菓子の定番「最中」
意外に知られていませんが、和菓子の定番「最中」の名の由来も実はお月見にあります。諸説ありますが、宮中で行われた月見の宴で供された白くて丸い餅菓子を称した“もなかの月”という言葉や、江戸時代後期に満月をかたどった“最中の月”という煎餅のようなお菓子がはじまりと言われ、まさにお月見の風習から生まれた「最中」。日本文化に精通する神森さんが、全国各地から指折りの「最中」3点を紹介してくれています。
6:老舗食品メーカーが手掛ける、中国のお月見に欠かせない「月餅」
日本に限らず、中国をはじめとするアジアの中華圏でも“中秋節”として、中秋の名月を祝う風習があります。お月見の時には家族円満を願って、丸い「月餅」を食べるのが定番です。「月餅」はその名の通り、月を見立てた丸く平たい中国菓子です。アジアの食に詳しい伊能さんが紹介してくれたのが、昭和2年から販売されている『新宿中村屋』の様々な「月餅」。中華スタイルのお月見パーティーも楽しそうですね!
7:満月の夜にくみ上げた水のみで淹れる世界チャンピオンのコーヒー
最後にご紹介したいのが、満月の夜にくみ上げた水で淹れるという珍しいコーヒー。福岡にあるコーヒーの名店『白金茶房』のオリジナルブレンドコーヒー豆は、焙煎技術を競う世界大会で優勝した後藤直紀氏の手によるもの。お店では日本酒の仕込み水にも使用されている雲仙山系の水で、最もまろやかになるといわれる満月の夜に汲み上げた水で1杯ずつ丁寧にドリップするコーヒーは、満月のようにまあるい味わいになるのだとか。
※掲載情報は 2015/09/27 時点のものとなります。
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