【大人の工場見学] 愛知県碧南市 七福醸造 黄金色の「白だし」ができるまで

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高橋万太郎こんな綺麗な工場は見たことがない!すべてにこだわる白だし

よい料理店はトイレが綺麗だといわれますが、ものづくりの現場でも、よい商品がつくられる仕事場は整理整頓と清潔が共通しているように感じます。

 

七福醸造の工場に伺うと、「当たり前」のことの徹底に驚かされます。例えば、誰もが子供の頃にはこう教えられたと思います。「相手の目を見て大きな声で挨拶しよう!」と。ここの工場では全てのスタッフの方が気持ちの良い「いらっしゃいませ」で出迎えてくれ、数十年使われている設備が磨き上げられて光り輝いているのです。私も仕事柄いくつもの工場に訪問していますが、こんなきれいな工場は見たことがありませんでした。

新品ではないのです。何年も使い込まれている現役の道具たち。

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新品と見間違うような設備の数々。足場を支える柱さえもピカピカ。

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小麦と大豆を蒸すNK缶。このように反射して光っているものは初めて目にしました。使用する度に高温によって輝きは失われますが、紙やすりを使って元の輝きに。そして、この繰り返し。

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写真を撮っている姿が映ります。

毎日行われる環境整備

朝8時から1時間。トイレ・事務所を含めたそれぞれの担当場所をホコリひとつないように徹底的に磨きます。たまにする事ではなく毎日。これが七福醸造の名物にもなっている「環境整備」。さらに、工場を完全ストップさせて年6回の集中環境整備は各3日間かけて行われます。

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そんな環境で仕込まれる白醤油のタンクには、「大豆1割:小麦9割」の諸味(もろみ)が入っていて、年間を通して15℃程度に保たれています。低温にすることで発酵を抑制し、白醤油の特徴である色を生み出すことができるのです。そして、下の栓を開けると琥珀色の白醤油が。定期的に下に溜まったものを取り出してタンク上部から注ぎ直す「汲みかけ」を行います。そして、6ヶ月から1年をかけて完成。

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他の醤油メーカーにあって、七福醸造にない設備があります。それは圧搾機。そのまま滴る一番搾りと、塩水を加えて数か月おいてから滴る二番搾りだけが白醤油になります。残った諸味は家畜の飼料に。「それって、搾れば醤油になりますよね?!」「そうです。ただ、よい部分だけを使うのがうちのつくり方ですから。」と鈴木工場長。

 

原料には有機原料を使い、厚削りの本枯節とどんこ椎茸から引いただしをくわえた白だしは、製造環境から原料まで全てに言葉通りこだわった一品です。

※掲載情報は 2015/09/20 時点のものとなります。

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キュレーター情報

高橋万太郎

職人醤油 代表

高橋万太郎

1980年群馬県前橋市出身。立命館大学卒業後、(株)キーエンスにて精密光学機器の営業に従事し、2006年退職。(株)伝統デザイン工房を設立し、これまでとは180度転換した伝統産業や地域産業に身を投じる。現在は一升瓶での販売が一般的だった蔵元仕込みの醤油を100ml入りの小瓶で販売する「職人醤油」を主宰。これまでに全国の300以上の醤油蔵を訪問した。

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