記事詳細
紹介している商品
こんがりした焼き色と、甘く溢れる出汁の誘惑
今も昔も、お弁当や行事食の定番といったら、「玉子焼き」ですよね。皆さんそれぞれに、各ご家庭の「おふくろの味」があるのではないかと思います。
この玉子焼き、日本全国各地方によって材料や調味料の配合が全く違うので、自分好みのひと品への思い入れも格別なのでしょう。関西では甘くない、いわゆる「出汁巻き玉子」がおかずの定番ですが、関東ではお砂糖やみりんを加えて甘くするのが通例のようです。そのバリエーションも様々で、お蕎麦屋さんでは「そばつゆのかえし」を活用したり、江戸前のお鮨屋さんでは「エビや白身」を加えて、ふわふわに仕上げる技もありますね。
そんな東京風の玉子焼き、お店で求めるとなると築地の専門店や、カシワ屋さんから派生したお店のものが有名で、私もいろいろ長年買い求めてきました。が、なんと!先日、とっても「わたくし好み」のひと品に巡りあいました!
湯島の老舗料理屋「板倉茶屋 要(かなめ)」さんのお土産用厚焼き玉子です!
創業80年余、江戸幕府の老中板倉家の中屋敷跡という由緒ある立地の会席料理店、メニューには載っていない特別なお土産がこの厚焼き玉子です。
断面を見ると、江戸前厚焼き玉子の特徴「卵液を軽く混ぜる」ことによって、白身がよく見え、厚く巻いてあることがわかります。表面のほどよい焦げ色も食欲をそそりますね。そして特筆すべきは、期待感とともにがぶっと頬張ると同時に、びっくりするほどお出汁があふれ出るそのジューシーさです。
切り口からもお出汁がにじみ出ているのがわかります。そしてこのお出汁の「塩梅」の素晴らしい事!関西風出汁巻きのうま味を持ちながらもしっかりと甘く、食感もしっかりしたこの正統派江戸前の玉子焼き、是非一度お試しあれ。
基本的にはご常連の方のみのお土産ではありますが、それなりにご相談いただけるようですよ。
※掲載情報は 2015/07/06 時点のものとなります。
- 6
キュレーター情報
料理写真家
今清水隆宏
1965年、東京都生まれ。東京造形大学卒業。1988年よりフリーランスフォトグラファーとして独立。
以後、国内・海外、料理研究家・シェフを問わず主に雑誌、料理レシピ、レストランなどの料理およびその周辺の撮影、書籍企画等を担当。他、百貨店等各種カルチャースクール、地方自治体等にて「料理写真講座」の講師、講演等でも活動。社団法人日本広告写真家協会会員。