鳴門金時と秘伝の糖蜜が作り出す徳島で80年以上愛される素朴な味

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原料は、さつま芋の女王、「鳴門金時」を使用。

鳴門金時と秘伝の糖蜜が作り出す徳島で80年以上愛される素朴な味

先日、四国の徳島に行ってきました。たまたま「鳴門うず芋」というお菓子を見つけました。お菓子と言っても、「さつま芋」を蒸かし、輪切りに切って甘い蜜に漬け込んで乾燥させたというシンプルなものです。食べてみると、さつま芋の軽い歯ごたえと甘みがあり美味しいのです。この素朴な感じが、今まで食べたこともないのに懐かしさを覚えます。

調べてみると、この「鳴門うず芋」は、徳島の美馬郡にあり、昭和4年に創業した栗尾商店というお店が、作っていました。この「鳴門うず芋」は、創業以来の定番商品で、なんと80年以上に渡り作り続けられていたのです。原料となるさつま芋は、徳島の名産「鳴門金時」というさつま芋を使用しています。「鳴門金時」は、徳島の降雨量の少ない温暖な気候と鳴門海峡の豊富な海のミネラルを含んだ砂地で育ったさつま芋で、地元では「さつま芋の女王」とも呼ばれています。

この「鳴門金時」で作られた「鳴門うず芋」は、素材であるさつま芋の本来の味をしっかりと前に出してある感じがします。「鳴門金時」の素材の美味しさを上手に引き出しているのは、秘伝の糖蜜です。創業者が作った秘伝の蜜床があり、ハチミツを元に作り出しました。創業以来、80年以上も継ぎ足しながら、その秘伝の蜜床を守り続けているらしいです。この糖蜜が、さつま芋との相性が良く、さつま芋の美味しさを引き出しているのです。

また、「鳴門うず芋」の原料のさつま芋を切るのにも、機械を使わずに職人が包丁を使ってさつま芋を一枚一枚丁寧に切り分けています。手で切ることにより、切られたさつま芋の断面に凹凸ができ、糖蜜がたっぷりと絡んで深い味わいを生むためです。素朴で美味しいと簡単に言ってしまいましたが、その土地で生まれた原料となるさつま芋は、その土地の気候やその土地の土でしか生まれない自然がつくり出したものです。

決して華があるようなお菓子ではないですが、この素朴な感じが80年以上に渡り愛される感じが、なんとなく分かります。

鳴門金時と秘伝の糖蜜が作り出す徳島で80年以上愛される素朴な味

※掲載情報は 2015/04/08 時点のものとなります。

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キュレーター情報

荒岡俊行

荒岡眼鏡の三代目 眼鏡店ブリンク店主

荒岡俊行

1971年生まれ。東京・御徒町出身。1940年から続く「荒岡眼鏡」の三代目。
父方も母方も代々眼鏡屋という奇遇な環境に生まれ育ち、自身も眼鏡の道へ。

ニューヨークでの修業を経て、2001年に外苑前にアイウエアショップ「blinc(ブリンク)」、2008年には表参道に「blinc vase(ブリンク・ベース」をオープンさせる。
「眼鏡の未来を熱くする。」をミッションに掲げ、眼鏡をカルチャーの1つとして多くの方々に親しんでいただけるよう、眼鏡の面白さや楽しさを日々探求しています。

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