ヴィネド・チャドウィックに合わせたわが家のオータム・バーベキュー

ヴィネド・チャドウィックに合わせたわが家のオータム・バーベキュー

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全米が湧いた!パリスの審判

世界の頂点に君臨するワインとして有名なものとして、五大シャトーなどに代表されるボルドーや、ロマネ・コンティを有するブルゴーニュなどがあります。誰もが「ワインは血統がすべて」と疑わなかった時代に、先見の明を持つ一人の若者がいました。「ミスター試飲会」とも評されるスティーヴン・スパリュア氏です。

 

1970年、英国人であった彼はワインビジネスのスタートのため、パリにあるワインショップの権利を買い取ります。店の近隣には英語を母国語とする多くの外国人が働いており、ワインを教えてほしいという彼らの要望により「アカデミー・デュ・ヴァン」というワイン学校を始めることになります。一般愛好家向けのワイン学校は、パリでも始めてのものでした。

 

1976年スティーヴン・スパリュア氏はアメリカ建国200年を記念して、フランスのファイン・ワインとカリフォルニアのワインを、ブライドで試飲するイベントを開催することにしたのです。

 

 

当時はワイン業界で働くプロでも、カリフォルニアワインを口にしたことがある者などほとんどいなかった時代です。高品質なワインがアメリカに存在するなど、知る由もなかったのです。しかしながらスティーヴン・スパリュア氏は気づいていたのでした。

 

選ばれたワインは、誰もが知っている著名なフランスワインと当時は無名だったカリフォルニアの赤白それぞれ10本ずつ。審査員は、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの共同経営者やパリの3つ星トゥール・ダルジャンのシェフソムリエなど、錚々たる顔ぶれの9名です。誰もが自分の選んだワインはフランス産だと信じていました。

 

いざ蓋を開けてみると、誰もの予想を裏切り赤白ともに1位になったのはカリフォルニアワイン。会場は騒然となり、一波乱が巻き起こりました。

 

このニュースはその場に居合わせた記者ジョージ・テイバーにより米国『タイム』誌に掲載され、CBSテレビでも報道されました。すると1位になったシャトー・モンテレーナとスタッグス・リープ・ワインセラーズの電話は鳴りやまず、ワイナリーにはワインを求める人の車が列をなして、あっという間に完売になったのです。

 

その後、フランス側の異議申し立てにより10年後の「ニューヨークのリターンマッチ」、30年後の「ロンドン・ナパのリターンマッチ」と、ドラマチックなテイスティング・イベントが展開されていくのでありました。

ヴィネド・チャドウィックに合わせたわが家のオータム・バーベキュー

世界のプロが驚いた!ベルリン・テイスティング

時は2004年のベルリン。パリスの審判にヒントを得たエデュワルド・チャドウィック氏は、スパリュア氏と共に、チリのワインと世界最高峰と評されるワインを、プロフェッショナルにブラインドで試飲してもらう会を催しました。

 

このイベントの結果は、まさに目を見張るようなものでした。シャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・ラトゥール、シャトー・マルゴー、スーパートスカーナとして名高いソライアを抜いて、NO1に輝いたのがヴィネド・チャドウィック2000だったのです。この結果は、世界のワイン地図を大きく塗り替えました。

ヴィネド・チャドウィックに合わせたわが家のオータム・バーベキュー

ヴィネド・チャドウィックに合わせたテーブルをスペシャルオーダー

私の大好きなビデオに、エデュワルド・チャドウィック氏とお嬢様のマギー氏が、ブドウ畑をバックにガーデンテーブルをセットして、ヴィネド・チャドウィックを試飲解説しているものがあります。

 

お二人がお召しになっていたサンドベージュが混じるジャケットは、ヴィネド・チャドウィックのやや赤みを帯びた、砂利質土壌を連想させました。ボトルや陶器のシンボルマークに使われている赤は、大地のレンガ色のニュアンスが加わったややダークな色調で、注がれたワインの色とそのままリンクしていきます。

 

ワインは抑制感の効いたカシスやチェリー、すっと垣間見えるグリーンノート。フィネスやエレガンスを感じさせながらも根底に流れているのは、大地の生命力と家族の愛。「人生は山あり谷ありだけれど、どんなときにもこのワインが癒して勇気づけてくれる。」そんな気持ちが沸き上がってきます。

 

早速、バーベキューのプロフェッショナルで、茨城スマート・バーベキュー協会代表の黒澤浩道氏に、「映像で見たチリのエッセンスを少しでも自宅で表現できないだろうか。」と相談してみました。もちろん日本の季節の食材をたっぷりと生かしての前提です。「チリは高級な魚介類が豊富なイメージです。でも今回は赤ということですから、お肉を多めにして魚貝類を使ったものを、ご家族の好みに応じて取り入れていきましょう。」と黒澤氏。そして当日、素晴らしいテーブルが出来上がったのでした。

ヴィネド・チャドウィックに合わせたわが家のオータム・バーベキュー

チリの国旗&ワインの色である赤を基調に、ヴィネド・チャドウィックのテロワールを表現したライナー、秋の味覚であるカボチャとブドウを散りばめます。

ヴィネド・チャドウィックに合わせたわが家のオータム・バーベキュー

スパイスがたっぷりと散りばめられたKing of BBQスペアリブ。立ち上るスモークの香ばしい香りが、ワインの樽香と同調します。

ヴィネド・チャドウィックに合わせたわが家のオータム・バーベキュー

土の香りが立ち上るような蓮根と椎茸の牛ひき肉のグリル。茨城県産野菜の力強い味わいと、大きくミンチしたひき肉を噛みしめる旨味は、柔らかいタンニンを持つワインと絶妙な相性でした。

ヴィネド・チャドウィックに合わせたわが家のオータム・バーベキュー

魚介類が豊富なチリをイメージした、ムール貝と浅利がたっぷり入った金目鯛のアクアパッツア。

美味しいワインと料理をたっぷりと堪能し、久々に集まった親族も大満足の様子でした。

 

華やかな場だけではなく、大切な方との上質な時間を彩るのにも相応しいヴィネド・チャドウィック。皆様も是非、素晴らしいテロワールの味をお楽しみください。

 

ヴィネド・チャドウィックのインスタグラム

@vinedochadwick

 

スマート・バーベキュー 黒澤弘道氏のインスタグラム

@hi_kurosawa

 

ヴィネド・チャドウィック

ヴィネド・チャドウィック

※掲載情報は 2021/12/12 時点のものとなります。

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キュレーター情報

林麻由美

ソムリエ・ワイン研究家

林麻由美

企業、オンラインショップ、イベントにマッチしたワインセレクトやセミナーを行うソムリエ・ワイン研究家。
国内大手航空会社に乗務員として入社。国際線ファーストクラスを15年担当、世界55カ国以上を回り、世界各国のワインや様々な職業や人々に触れるうちに、ワインが繋ぐ人の縁の素晴らしさに感動する。
1995年に当時はまだ耳慣れない言葉だったソムリエの資格を取得、2001年にシニア・ソムリエも取得。その他、クージヌリー・ド・ブルゴーニュ、英国WSETLevel3、日本酒利酒師、温泉ソムリエ、フードアナリスト記者の資格を持つ。
現在は、ボルドーワイン騎士団理事、サクラアワード常任審査員、イベント・バンキング・フードイベント・プロデューサーとして、ワインと食の啓蒙活動に努めている。
JAL、アメックス、ダイナース、VISAの機関誌、ワイン専門誌では、テイスターや筆者として、ブルガリやディオールなどのファッションブランド企業、電通などの大手企業では、オーダーセミナーを行う。また、ジェラールチーズなどのオンライン販売では、チーズを使った料理とワインのマリアージュを提案している。

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