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ボルゲリのスターが、地中海の光と風の香りを運んできた!
ワインで有名な国はどこ?と聞くと真っ先に上がるイタリアは、20州すべてでワイン造りが行われているというワイン大国。中でも最高峰のワインとして常にトップにランクインしているのが、トスカーナ州ボルゲリの「オルネッライア」なのです。
緻密なワイン造りとブランド戦略
今でこそ「スーパー・トスカーナ」を生み出す地として有名なボルゲリですが、最初は全く無名の場所でした。
ボルドーの土壌とカリフォルニアの気候を合わせ持つことに着目した当時のオーナーが、カベルネ・ソーヴィニヨンなどのボルドー品種を植樹。たった30年で[A1] 国際的ラグジュアリー・ブランドに育ったオルネッライアは、現在はジョヴァンニ・ゲッデス・ダ・フィリカーヤCEOのもと、さらなる進化を遂げています。
ワイン造りを行っているのは、醸造責任者/エステートディレクターのアクセル・ハインツ氏。
オルネッライアだけでなく、イタリア最高峰のメルロとして名高いマッセートも手掛けており、今後の活躍にも目が離せません。
食事を一気に格上げ!自宅で外食以上のマリアージュを楽しめる白ワイン
「ポッジョ・アッレ・ガッツエ・デル・オルネッライア」は「オルネッライアのカササギの丘」の意味。一度生産が中止されファンを大いに悲しませていましたが、新しいブレンドで復活しました。ボトルに描かれている鳥は、もちろんカササギです。
飲んだことのないワインだったので、自宅でどんな料理を作ろうかと悩みましたが、そんな時はまず試飲。
イタリアだから果実味豊かで、新樽もしっかり効いた都会的な味わいなのだろうと思いきや、その予想は見事に裏切られました。
最初は、バニラの香りと熟した白桃のような果実主体なのですが、中盤から大地から立ち昇る土っぽさ、プリミティブなニュアンスが立ち昇ってくるのです。清々しいハーブの香りから、ブラウンマッシュルームや干した麦藁のような茶色の香りに変わり、最後に滋味深い苦みが口中に広がります。
今まで数多くの白ワインを試飲してきましたが、こんなワインに出会ったのは初めて。
合いそうな料理を色々試してみましたが、最高に相性の良かった一品は、なんと……今までマリアージュが見つけられなかった「ゴーヤと卵の炒め物」でした。
卵のふくよかさとワインの果実味が同調し、ゴーヤの青さと苦みが絶妙にワインの持つ方向性とマリアージュします。ほんの少し鰹だしを利かせたのですが、大地の母のようなこのワインが出汁の味を優しく包み込みます。この組み合わせを発見した時は、10年間お見合いをセットアップして遂に理想のお相手を引き合わせることができたお仲人さんになったような気持ちでした(笑)。
料理に合わせやすいワインは数多くありますが、個性的な料理に合わせるワインはなかなかないもの。
「ポッジョ・アッレ・ガッツエ・デル・オルネッライア」は他にも、マイルドなカレー味、山椒、出汁などスパイスがアクセントになった滋味深い料理にも合いそうです。
皆様も是非、色々な料理とのマリアージュを楽しんでみてくださいね。
※掲載情報は 2020/08/30 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ソムリエ・ワイン研究家
林麻由美
企業、オンラインショップ、イベントにマッチしたワインセレクトやセミナーを行うソムリエ・ワイン研究家。
国内大手航空会社に乗務員として入社。国際線ファーストクラスを15年担当、世界55カ国以上を回り、世界各国のワインや様々な職業や人々に触れるうちに、ワインが繋ぐ人の縁の素晴らしさに感動する。
1995年に当時はまだ耳慣れない言葉だったソムリエの資格を取得、2001年にシニア・ソムリエも取得。その他、クージヌリー・ド・ブルゴーニュ、英国WSETLevel3、日本酒利酒師、温泉ソムリエ、フードアナリスト記者の資格を持つ。
現在は、ボルドーワイン騎士団理事、サクラアワード常任審査員、イベント・バンキング・フードイベント・プロデューサーとして、ワインと食の啓蒙活動に努めている。
JAL、アメックス、ダイナース、VISAの機関誌、ワイン専門誌では、テイスターや筆者として、ブルガリやディオールなどのファッションブランド企業、電通などの大手企業では、オーダーセミナーを行う。また、ジェラールチーズなどのオンライン販売では、チーズを使った料理とワインのマリアージュを提案している。