97年の伝統の味、東京會舘のプティガトー

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風味豊かなソフトな口当たりのクッキー

数年前に辻村深月の『東京會舘とわたし』を読んでいた時は、東京會舘は建て替えの真っ最中だった。東京會舘の名前は知っていてもその実態をご存知ない方のために若干説明をしよう。東京會舘は東京駅や二重橋前駅、有楽町駅、日比谷駅から徒歩圏で、皇居のそばにあり、1922年(大正11年)に創業され結婚披露宴や宴会の施設として歴史のある建物である。

 

一般的なニュースとしては、年2回行われる芥川賞・の記者会見・贈呈式の会場としてご存知の方も多いのでは。小説『東京會舘とわたし』でも100年に渡る歴史の中に著者の辻村深月が「ひとつの建物を主人公に歴史小説と呼ばれるジャンルに挑んでみたいと」東京會舘に取材を申し込み自らの直木賞受章体験も含めて書き上げられた傑作で、ぜひ、ご一読を。今年1月に東京會舘は新しくなったが、関東大震災で被災したり、戦中は大政翼賛会の本部として接収され、戦後はアメリカ進駐軍GHQの商工用の施設「アメリカン・クラブ・オブ・トーキョー」にされたりと波瀾万丈の歴史があるのだ。

97年の伝統の味、東京會舘のプティガトー

1971年(昭和46年)二代目本舘が竣工し、2015年に建て替が始まり4年の歳月をかけて今年の1月に3代目本館が完成した。昨年末に年明けの新規開店前に東京會舘の施設の内覧会があり見学してきた。結婚式のチャペルや結婚式場や1800人も参加出来る巨大な宴会場、8つのレストランなど「NEWCLASSICS」をコンセプトにした館内は豪華だが以前の趣も残っていた。いささか個人的な話だが、東京會舘には仕事で関係を持ったことがあった。

97年の伝統の味、東京會舘のプティガトー

2006年にその当時の東京會舘の会長だった方の本の制作をし、その後、日本橋の三越本店の会員誌の編集長をしていた時に、「特別食堂」のリニューアルで料理の取材と撮影のために。旧東京會舘には何度も通っていたのである。東京會舘の名物料理のひとつの「ローストビーフ」はリブロースを3時間かけてじっくり焼き、ローストビーフの切れ端を使って煮込んだグレービーソースの旨さは今でも記憶に残る味だ。

97年の伝統の味、東京會舘のプティガトー

なにせ、東京會舘のメインダイニングのフランス料理の「プルニエ」の初代料理長は伝説の田中徳三郎で、東京會舘は美食の殿堂となり、その後の日本のフランス料理の規範を造ったのである。

97年の伝統の味、東京會舘のプティガトー

また、田中徳三郎は1954年に會舘の中にクッキングスクールを作りフランス料理の普及にも努めた人物なのだ。そして、「マリンシャンテリー」や「クレープ・シュゼット」「ビスキ・グラス・オ マロン」などの伝統的なフランス菓子もこの東京會舘から始まっているのだ。今回紹介するのは東京會舘の長年の伝統から継承されてきたプティガトーで、ソフトなバター風味たっぷりの食感のクッキーである。ちょっと懐かしい味で心が満たされるプティガトーを召し上がれ!

97年の伝統の味、東京會舘のプティガトー
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※掲載情報は 2019/03/04 時点のものとなります。

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キュレーター情報

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

アートディレクター・食文化研究家

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。

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