国産初の豪雪地帯での「ギリシャヨーグルト」

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加熱料理に適したギリシャヨーグルト

以前、某健康雑誌の制作に、毎月関わっていたことがあった。特定の食材に焦点を当てて、健康効果を紹介する企画で、タマネギ酢、昆布水、トマト、生姜、豆腐、キノコ、鰯、豆乳、雑穀、アボガド、豆、ニンニク、カレー、イモ、酢、野菜スープ、蒸し野菜、ハチミツ、味噌……と、多彩な内容だった。その中でも「ヨーグルト」は年に1度は登場する健康食材の雄だったのだ。何度も登場したヨーグルトだったが、極めつけは「水切りヨーグルト」の号だった。

 

作り方は簡単で、ひとつはザルにキッチンペーパを敷いてヨーグルトを入れて一晩冷蔵庫でゆっくり水を切る方法。もうひとつは、コーヒフィルターにヨーグルトをのせて水を切る方法だったがこの水は水ではなく「乳清」というものだ。「乳清」は”にゅうせい”と読み、別名”ホエイ(ホエー)”と呼ばれるもので、牛乳から脂肪分やカゼインを取り除いた水溶液なのだ。この乳清からチーズも作ることが可能で、イタリアのリコッタチーズはどの代表格である。生乳から、乳牛、チーズ、クリーム、バター、アイスクリーム、ヨーグルトと多様な食品が生まれるというのはある意味で凄いことだと思ってしまう。

国産初の豪雪地帯での「ギリシャヨーグルト」

話はヨーグルトに戻すと、ヨーグルトは牛乳に乳酸菌や酵母を加えて発酵させ,カスタード状に凝固させたものであるが、健康食品の筆頭にも上げられる最大の功労者はやはり乳酸菌であろう。ヨーグルトメーカーは新たな乳酸菌開発で、より健康効果の高いヨーグルトを製品化しているが、これに関しては皆さんも関心の高いことだと思う。さて、普通のヨーグルトと水切り(乳清)ヨーグルトはどう違うのだろうか。味の点から言えば、個人的なことなのだが、普通のヨーグルトの酸味が実は苦手なのである。ついつい、食べやすくするために、砂糖やジャム、ハチミツを入れてしまうが、水切りヨーグルトは酸味が弱く食べやすいのである。

国産初の豪雪地帯での「ギリシャヨーグルト」

そして、普通のヨーグルトよりも濃厚で、ねっとりしたコクのあるクリーミーなチーズに近い味わいなのだ。水分が抜けている分たんぱく質も普通のヨーグルトの倍もあるが、低脂肪でヘルシーなのである。さて、今まで水切りヨーグルトと書いてきたが、これには「ギリシャヨーグルト」という立派な固有名詞があるのだ。このギリシャヨーグルトが冬になると10メートルもの雪が降るつもり豪雪地帯で造られていると聞いて驚いた。岩手県の南で奥羽山脈に挟まれて、隣は秋田県の横手という西和賀町という人口6千人の自然に恵まれた地域である。現地のギリシャ人から直接製法を学び、気候のまったく異なる岩手の地で国産最初のギリシャヨーグルトと聞いて、最初は「?」と思ったのだ。

国産初の豪雪地帯での「ギリシャヨーグルト」

しかし、酸味が弱く食べやすくて、これは良いと納得したのである。このギリシャヨーグルトは普通のヨーグルト同様な食べ方でも美味しいのだが、生クリームやサワークリーム、マヨネーズの替わりにデザート、スイーツはもとより、熱に強いので料理にもぜひ、活用してもらいたい。思えば、雑誌で水切りヨーグルトのページを作っていた頃は、国産の水切り(ギリシャ)ヨーグルトはまだ無かったのだ。

※掲載情報は 2018/09/06 時点のものとなります。

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キュレーター情報

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

アートディレクター・食文化研究家

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。

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