あまじょっぱさが嬉しい無添加ジェラート「うるまジェラートぬちまーす」

あまじょっぱさが嬉しい無添加ジェラート「うるまジェラートぬちまーす」

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 今回ご紹介する「うるまジェラート」を初めて食べたのは、店舗の近くにある製塩所「ぬちまーす」を訪ねた帰り道のことでした。すごく暑い日で、なにか冷たいものでもおやつに食べたいなと、ふらりと立ち寄ったのですが、優しく自然な、ちょっとどこか懐かしいような味わいに驚きつつもノックアウトされたのを、今でも覚えています。
 このジェラートを生産しているのは、宝眞榮(たまえ)幸江さん。2010年にジェラートのお店を始めるまで、保育士やピアノの先生などをしていたといいます。そんな食業界とはまったく無縁だった宝眞榮さんがジェラートを作り始めたのは、人のご縁によるものなんだとか。
 まず、最初に出会ったのが物件。周囲の人からのご縁で、地元うるま市の海沿いにでた空き店舗でなにかやらないか?という話が舞い込んできたそうです。それまで店舗などはやったことがない宝眞榮さんは、当初はあまり乗り気ではなかったといいますが、
「物件を見たら、あまりに景色が綺麗で、ここでなにかをしなくちゃ!と思った」
ということで、とりあえず物件を借りることは決めて、そこから何をやるかを考えたそうです。「地元うるまの魅力をみんなに知ってもらうためにも、できる限りうるまの食材を使ったなにかをやりたいけれど、なにをやったらいいのか?」と考えあぐねていたその時、ふと思い出したのが、以前に全くの別件で訪問したことのある三重県の「もくもくファーム」でした。「もくもくファーム」と言えば、全国に名の知れた地元産品を使ったメニューや商品開発の名手であり、全国から視察に訪れる人が跡を絶たない企業でもあり、その名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

 ピンときたらすぐ行動するのが宝眞榮さんのよいところ。すぐに視察の時にお世話になったもくもくファームの人に電話をかけて、事情を説明。すると、「そういう想いならば、ジェラートをやったらいい」とのアドバイスを受けたといいます。その時初めて「ジェラート」という言葉を知り、さっそく県内のほかのジェラート屋さんを訪ねていきます。しかし、残念ながら当時、宝眞榮さんが満足いくような味には出会えませんでした。なぜなんだろう?と考えた時に気がついたのは、着色料や香料、保存料の使用でした。鮮やかではっきりとした色や味、香りなどが、それまでジェラートを食べたことがない宝眞榮さんには不自然に感じられたのです。
 「やるからには、自分がおいしいと思うのはもちろん、みんなが安心して食べられて、おいしくて笑顔になるようなものがいい。そのために、無添加のジェラートを作ろう」という想いを抱え、もくもくファームに頼み込んで研修させてもらい、無添加のジェラートづくりを学ばせてもらいました。そして沖縄に戻った後、試行錯誤を重ねながら、自分の想いを体現するジェラートを少しずつ商品化していくことに成功し、2010年には、眼前に自身が惚れこんだ美しい海の広がる場所に「うるまジェラート」をオープン。この時、すでに56歳になっていたという宝眞榮さん。いやはや、その行動力に脱帽なのです。

あまじょっぱさが嬉しい無添加ジェラート「うるまジェラートぬちまーす」

 こうしてできあがった「うるまジェラート」は、今までに約40種類はあるそうですが、その原材料に特にこだわりがあります。メインの材料となる牛乳は、地元沖縄の新鮮な宮平牛乳。砂糖はミネラル豊富なきび糖を少々。それ以外の材料も、有機JAS認定を受けている農場と契約し、黄金いもや黒糖、塩、にんじんなど、できる限り地元うるま市のものを厳選して使用しています。香料、着色料、保存料は一切使用せず、素材の味わいを楽しめる、身体にやさしいジェラートに仕上がっています。

 

 私の一番のおすすめは、うるま市の誇る名産品「ぬちまーす」を使った塩ミルクジェラート。ほどよいしょっぱさとミルクの優しい甘さが絶妙なバランスで、あとあじもさっぱりとしているため、気がつけばペロリと1つ平らげてしまっていました。ほかの味を食べていた人たちも、「なにこれおいしい」「懐かしい味がする」と、次々と平らげていました。
 
その評判を聞いた県内外の多くの量販店から取扱いの要望があるものの、地元産の材料にこだわりながら手作りで生産しているため量に限りがあり、あまり多くの販売店には卸さないようにしているそう。「品質が落ちるので、お店を必要以上に大きくしようとは思わない」という宝眞榮さんは、きっと、店舗に来てくれたお客様の笑顔が見たくてジェラートづくりをしているんだろうなあと感じました。まさに初心完徹です。自社通販は行っているので、沖縄県には行けないけれどどうしても食べたい!という方は、通販サイトを覗いてみてくださいね。カップに入ったタイプは、添加物が入っていない分、冷凍した際に硬くなりやすいので、カップの外側を手のひらで包んで少し温めて溶かしながら、柔らかくなってきたところから練って食べるのがおすすめとか。ソフトクリームよりちょっと硬めくらいになったあたりが食べ頃です。
 最近では、「失敗作から生まれた」という2つの種類をブレンドしたジェラート「Dueシリーズ」も好評だとか。ぜひ、試してみてくださいね。

 

商品名:うるまジェラート ぬちまーす
製造者:株式会社たみくさ
住所:沖縄県うるま市与那城照間1860-1

※掲載情報は 2018/08/04 時点のものとなります。

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キュレーター情報

青山志穂

ソルトコーディネーター

青山志穂

東京都出身、沖縄県在住。
大手食品メーカー勤務から一転、塩に魅せられて塩の道へ。塩の専門店で社内資格制度の立ち上げなどを行ったのち、2012年に(社)日本ソルトコーディネーター協会を立ち上げて独立。現在は、塩のプロフェッショナルであるソルトコーディネーターの育成のほか、全国を飛び回りながら、塩の基礎知識や使い方などに関する講座や講演、テレビやラジオ、雑誌などへの出演、塩売場のコーディネートなどを行いながら、塩の啓蒙活動に努めている。有名シェフとの塩をテーマにしたコラボレーションイベントや食品メーカーの商品企画も手掛ける。著書に「塩図鑑」(東京書籍)「琉球塩手帖」(ボーダーインク)「日本と世界の塩の図鑑」(あさ出版)など。

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