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東京に現存する最古の寿司屋
以前シャンパーニュで取材をした時に、作り手の方があまりにもハッピーそうだったので、理由を尋ねると「毎日シャンパーニュを飲んでいるから」との回答が。それ以来、真似をしてせっせとシャンパーニュを飲みつづけ、最近ハッピーになってきたような気がします。
サカキラボのある神保町の近く、神田小川町の交差点からすぐのオフィスビルの一角に佇む元禄十五年(1702年)創業の「笹巻けぬきすし総本店」。引き戸を開けると老舗ならではの心地良い緊張感が漂い、自然と背筋が伸びる感じです。
木箱入りの持ち帰り寿司は、5巻 入りから100巻入りまで。7種あるたねは、たい、おぼろ、卵、のり、光り物、白身魚。光り物は春はさわら、夏はあじ、さより、秋から冬にかけては、こはだなど。白身魚は、青鯛、わらさ、かんぱち。また白魚やあわび、貝柱などを用いる時期もあるそう。持ち帰り用の他に店内でいただけるメニューもあります(7巻 潮汁付き 1,620円、ランチセット 1,050円他。2015年1月時点)。いつか100巻入りを頼んで思う存分食べてみたいものです。
笹巻けぬきすしという名は、殺菌効果のある熊笹で巻かれた寿司と、鯛の小骨を毛抜きで抜いて調理することに由来するそうです。戦国時代の携帯食が始まりというだけに、通常の寿司よりも塩味と酢味がやや強めでしたが、今日では冷蔵庫の普及や嗜好により当時に比べ塩と酢の量を控えめにしているのだとか。
一緒にあわせる今日のシャンパーニュは「ルイニケーズ ブリュット レゼルヴ NV」。すっきりとしていながら味わい深く、酸の余韻が長く続きます。ジャック・セロスで栽培、醸造を担当した若手夫妻が2012年より加わり、今後が期待される注目のメゾンの一本です。
「ルイニケーズ ブリュット レゼルヴ NV」(輸入元:テラヴェール株式会社)
※掲載情報は 2015/01/23 時点のものとなります。
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キュレーター情報
サカキラボ所長
サカキテツ朗
コミュニケーションを研究するデザイン事務所サカキラボの所長。シャンパーニュ取材がキッカケで大のシャンパーニュ好きに。キッチンを主体とするコミュニティスペース「LAB and Kitchen」(www.labpaper.jp)を運営する。季刊で発行するフリーペーパー「LAB.」は毎号さまざまなテーマをもとにインテリア、デザイン、食を紹介する。