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マッコリの語源
韓国の大衆酒「マッコリ」。夏になると飲みたくなるお酒のひとつです。マッコリの「マッ」は「粗く、おおざっぱ」という意味。「コルリ」は「漉す」という意味から、“おおざっぱに漉した酒”それが「マッコリ」です。
作り方も本当におおざっぱです。今はマッコリキットなるものもネット販売されており、材料を容器にいれて、3~4日で完成という速醸酒。
その歴史はかなり古く、農民たちが農作業の合間の休憩の時や、昼寝の前に飲むなどの記述が残っていることから、“弱いアルコールで疲れを癒す”目的で飲まれていたのでしょう。家庭で作る酒ということで、日本のどぶろくとも似ていますね。
ビタミンやミネラル、タンパク質も豊富で、栄養バランスに優れていることから、近年女性たちが好んで飲んでいるようですね。乳酸菌や酵母も豊富となると、美容や健康にはもってこいのアルコール飲料です。
マッコリの問題点
日本のマッコリは、常温で販売されているものがほとんどです。つまり、加熱処理されているため、熱に弱い乳酸菌や酵母は失活。そのうえ、原材料表示をみると、合成甘味料、クエン酸、pH調整剤など添加物を多く使用しているものが少なくありません。
それはそのはず、加熱処理のされていない「生」のマッコリは賞味期間がやたらに短いうえ、要冷蔵となるとなかなか流通が難しくなります。
じつは私、「生マッコリ」をいただくまでは、正直マッコリが苦手でした。甘ったるいので、韓国料理と合うといわれても、手が伸びませんでした。それが、「生」のマッコリに出合ったことで、考えが変わりました。
せっかくマッコリを飲むならば、「生」に限ります。
韓国では、壷に入ったマッコリを杓子ですくって大きめのぐい飲みのようなもので飲みます。農作業に飲んだなごりなのか、やかんでマッコリを出す居酒屋もあり。どうもマッコリは酒器もポイントとなるようです。
通常のマッコリは、そのままというより、何かで割って飲む女性も多いそうです。炭酸で割る。果物ジュースで割る。ジンジャエール、牛乳で割るなど様々な割り方があるようです。残念ながら、私は甘いお酒が好きではないため、いずれもお味見程度しか試したことがありません。
私のおすすめの生マッコリ
やはり私のおすすめは、「生マッコリ」です。しかも、今回ご紹介する「生マッコリ」は日本のまっとうな蔵元さんが、在日韓国人である春玉さんのご家庭で仕込んでいたレシピを再現したもの。韓国のマッコリは、米以外にも、麦や雑穀、豆などを入れる場合もあるのですが、福島県の『末廣酒造』の「生マッコリ」は、米と名水だけで作るスッキリした上品な味わいです。
ただし、開け方にはご注意ください。瓶を激しく振り開栓してしまうと、勢いよくシュワシュワ~と吹きあがり、激減りしてしまいます。
しかしこれこそが、乳酸菌や酵母菌が生きている証ともいえます。夏こそ、「生マッコリ」で腸を元気に!
生マッコリ 春玉の白720ml 1,058円(税込)末廣酒造
※掲載情報は 2018/06/07 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理家/フードディレクター
タカコナカムラ
山口県の割烹料理屋に生まれる。
アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚める。
日本の伝統食・発酵食、乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発や、オーガニックカフェのプロデュースに関わる。
現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール」を主宰。
通信講座(がくぶん)では、
「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」
「AGEフード・コーディネーター」など食と美や健康に関する講座を多数監修。
一般社団法人ホールフード協会 代表理事