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パッケージのインパクト以上に実力あるレトルトカレー
アパホテルといえば、日本最大規模のホテルチェーンだ。知らぬ人はいないほどのブランド力を誇るが、その名を聞いて思い浮かぶのは、なんといっても元谷芙美子社長だろう。アパホテルに泊まったことはなくても、元谷芙美子社長は知っているという人も多い。アパホテルの広告塔として抜群の知名度を誇るが、最近ではオリジナル商品のパッケージでも見かけるようになった。
今回紹介する大ヒット商品が「アパ社長カレー」だ。ホテルとカレーで想起するのが高級ホテル。高級ホテルに伝統ともいえるオリジナルカレーがあるケースは多く、テイクアウトグルメとしてオリジナルレトルト製品もみられる。一方、ホテルばかりでなく本連載でも紹介したように老舗旅館でも発売されており(https://ippin.gnavi.co.jp/article-13064/)、宿泊施設×レトルトカレーの裾野は広がりをみせている。
「アパ社長カレー」のパッケージには、元谷芙美子社長の顔が大きくプリントされている。広告塔の役割もあるということは前述したが、ゆえに企画商品としての性格が強く、中身のカレーよりもパッケージのインパクトが重視される商品という印象だ。ところが発売されるとパッケージ以上にカレーの味わいのインパクトが大きいと大人気を博し、発売1年で20万食を突破したという。
早速温めて皿に盛ると、濃度が高くドロッとしたソースだ。最近のホテルカレーではブラックカレーの商品も人気であるが、ベーシックなブラウンのソース。角切りビーフは小振りであるが、既にソースへうま味が溶け出しているだろう。とはいえこのソースのうま味は肉ばかりでなく野菜のうま味も感じる。深い味わいは両者の恩恵である。
企画商品らしいパッケージのインパクト以上に、カレーとしての実力は想像以上だ。
※掲載情報は 2018/06/02 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ホテル評論家 旅行作家
瀧澤信秋
ホテル評論家、旅行作家。All About公式ホテルガイド。ホテル情報専門サイトHotelers編集長。日本旅行作家協会会員。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。テレビやラジオ、雑誌などへの露出も数えきれず、業界専門誌への連載も手がけるなどメディアからの信頼も厚い。また、旅行作家としても旅のエッセイなど多数発表、ファンも多い。2014年は365日毎日異なるホテルへチェックインし続ける365日365ホテルを実践中。「365日365ホテル 上」(マガジンハウス)として上半期のホテル旅の記録をホテルガイドも兼ねて上梓した。著書に「ホテルに騙されるな!プロが教える絶対失敗しない選び方」(光文社新書)などがある。