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カンボジアでは、大人から子どもまで甘いものが大好きです。市場の周りや街中の路上では、ある時間になると甘味を乗せた屋台が出没します。また伝統行事、結婚式、ピクニックなどの集まりでも甘いお菓子が並びます。特にココナッツを使ったお菓子が多く、米粉にココナッツを混ぜてバナナの皮で包んで蒸したものや、もち米をココナッツミルクと砂糖で炊いて一口大に切ったもの、くりぬいたかぼちゃにココナッツとかぼちゃペーストを混ぜて注ぎ蒸したプリンなどさまざまです。
旅行土産に大人気の家庭菓子
カンボジアで昔から伝わる日常的なお菓子の中に「ノム・トム・ムーン」というものがあります。和製ミルフィーユのような、クレープを乾かしたような薄い生地をくるくる巻いた焼き菓子で、口に含んだ途端、ふわっとココナッツミルクの風味がします。一口齧ると、パームシュガーのふんわりとした甘みが広がります。歯ごたえは、ざくっ、と、ぱりっ、が一緒に来る感じ。後味にも微かにココナッツミルクが残ります。美味しくてつい2本めに手が伸び、軽いので何本もいただけるお菓子です。「ノム」はクメール語で「お菓子」、「トム」は「筒」、「ムーン」は「しっかり」の意味となります。諸説ありますが、もともとは、昔シェム人(現在のタイ人にあたる)がカンボジアに移住してきた時に伝わったデザートの一種ともいわれています。
「完璧な女性」が作るお菓子?
当時、タイ語で”Thaan Muoan”と呼ばれたそのお菓子はやがてカンボジアの言葉であるクメール語に変化していき、”Nom Thaang Nuon”(ノム・トーン・ヌン)となりました。訳すと”Nom”(お菓子)、
”Thaang”(袋)、”Nuon”(完璧な女性)という意味です。
なぜ『完璧な女性』と呼ぶようになったかというと、伝統的にお祝いの席や結婚式などは
”Nuon”(完璧な女性)が全ての料理やデザートを作っていました。つまり、お祝いの席で振舞われるこの筒状のお菓子を作ることができれば一人前として認められるという事を意味しています。
観光客に大人気!アイスバージョンもある!
もともとは家庭で作ったり、地方のローカル市場や道端などで量り売りしている、カンボジアではポピュラーなお菓子ですが、お土産用にとスーパーや空港でも手に入るようになりました。日本人が経営する『カンボジアティータイム』では、日本人向けに個装でノム・トム・ムーンを販売しています。ぜひシェムリアップの直営店『ISSA』で焼き立てを食べてみてください。
また、ブラックコーヒーと相性のいい、ノム・トム・ムーンにアイスクリームを詰めたものも販売していて、観光客に人気です。甘過ぎず素朴な味なので、コンデンスミルク入りコーヒーとも合いますが、おすすめは、濃く淹れたラタナキリコーヒーに牛乳だけ入れたミルクコーヒー。また、さっぱりココナッツジュースと一緒にいただくのもカンボジアらしいと思います。古き良きカンボジアの食の魅力を味わってみてください。
【取材協力】
島村絵美
http://www.cambodiafestival. com/
ニューサイトラベルサービス カンボジア
【イベントの告知】
今年もカンボジアフェスティバルが開催されます!詳細は下記をご確認ください。
日時:2018年5月3日(木)、4日(金)2日間開催(各日10:00~19:00)
会場:東京都代々木公園イベント広場+野外ステージ
入場料:無料
主催:※ カンボジアフェスティバル2018 実行委員会
イベントURL:http://www.cambodiafestival.com/
商品情報
ノム・トム・ムーン
カンボジアティータイム
※掲載情報は 2018/04/27 時点のものとなります。
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キュレーター情報
カンボジア王国大使館
カンボジアといえばアンコール・ワット、行ってみたい世界遺産第1位とも言われています。でもそれ以外のカンボジア、特に食に関してはあまり日本では知られていません。西はタイ、北はラオス、東はベトナムと接していて気候もよく似ていますが、食文化にはカンボジアならではの特徴があります。カンボジアの食とは何か。一言で言うとたっぷりのハーブと魚を発酵させて作った「プラホック」です。何種類もの香草を生で齧ることも地元の人たちは楽しんでいますが、石臼ですりつぶしたそれらを他の食材と混ぜて調理して風味と旨味を溶け込ませています。クメール料理はほんのり甘くて酸っぱい、そして辛くないのです。野菜、肉、魚、米、どれも素材の味を引き立てる優しい味のスローフード、のんびり大らかな国民性をよく表しています。水と緑が豊かな地で、雨と太陽の恵みが交互に来る常夏。ゆえに南国の甘くてみずみずしい果物も1年中楽しませてくれます。成長早い首都プノンペンでは、フレンチや和の食材と融合させた創作クメール料理も流行しています。古き良き伝統も、新しく洗練されたニュージェネレーションもうまく融合しているのがカンボジアなのです。ぜひご賞味を。