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クリーミーな口当たりを楽しみながら心地よく酔う
今年は全国的にも寒い日が続き、いつも以上の積雪に悩まされた地域も多かったのではないかと思います。新潟もまさしくそんな状態で、春はまだまだ先といった雰囲気ですが、日本酒はこれから続々と春めいてきます。
さて、3月といえば桃の節句ですが、古くから桃には「災いを逃れる」「邪を避ける」という霊力が備わっていると考えられ、昔の風習では3月3日には「桃花酒」といって白酒や、お酒に桃の花びらを浮かべて飲んだりしたそうですよ。
今回は、そんな素敵な日本文化に思いを馳せながら、気持ちも春めく「にごり酒」を2点ご紹介します。「にごり酒」とは文字通り白く濁った日本酒のことですが、よく質問を受けるのが「にごり酒はモロミを漉していないの?」ということ。少し専門的なお話になりますが、日本酒(清酒)の定義として「漉す」という工程が必要なのです。にごり酒は簡単にいってしまえば目の粗いもので漉しているので、澱(おり)の部分が入って白く濁った状態になるのです。
「さくらいろ 純米にごり」
新潟県妙高市にある『鮎正宗酒造』さんのお酒。真っ白い容器にピンクの桜といったシンプルなデザインが目を引きます。
器に注いだ瞬間、綺麗なピンク色に女性ならば(男性も?)気持ちが盛り上がることでしょう。このピンク色は着色したものではなく、酵母が出す自然の色合いを活かしたものなのです。とっても綺麗なので実際にご覧いただきたいくらい!
口当たりはとろりとまろやかで、甘さとコクが口の中に広がります。爽やかな酸味が甘さを引き締めてくれるので、すっきりと楽しんでいただけます。アルコール度数も約10%と通常の日本酒よりも低く、日本酒初心者の方や、女性におすすめです。冷やしてまたはロックでどうぞ。
「生酛(きもと)にごりの上善如水 純米」
越後湯沢にある白瀧酒造さんのお酒。こちらもパッケージに思わず「可愛いっ」と、手を伸ばしてしまいたくなります。「生酛(きもと)にごり」って何?と思われた方もいらっしゃると思いますが、生酛とはお酒を仕込む工程の中の一つの方法を指しているものですが、簡単に言うと「昔ながらの方法」であり、手間がかかるものなのです。味わいの特徴としては「コク」や「酸味」といったところでしょうか。
さて、こちらのお酒は先ほどの「桜色」よりも“とろみ”は少なめです。濃厚な旨味を感じるもののすっきりとしており、例えるならば「乳酸菌飲料」!こちらもアルコール度数が8~9度と低いので、日本酒初心者の方や、女性におすすめです。まず上澄みを一口、ゆっくりとかき混ぜて濁らせてからというような楽しみ方もありますよ。
春の新潟は日本酒を楽しむイベントも花盛り
新潟の春は酒にまつわる楽しい催しも。それは、何と言っても年に1度の夢の祭典!「新潟淡麗 にいがた酒の陣」(http://sakenojin.jp/)です。こちらが凄いのは新潟県内のほぼ全蔵(約90蔵!)の代表的な銘柄が味見できるということ。それだけではなく、新潟の人気店がフードのブースも出店もしており、新潟の食も幅広く楽しむことができます。また、この日のための特別なお酒にも出会えますよ。
また、「新潟SAKEレストランウィーク」(https://jrw.jp/niigata/)という催しは「新潟淡麗 にいがた酒の陣」とのコラボレーションですが、3月1日から18日の間、新潟県内にある伝統を誇る料亭やホテルをはじめとした「上質な」新潟の酒と食を味わえる、地元民でも大注目の催しです。私も早速2軒予約をしました!!
是非この機会に新潟へお出かけくださいませ。
※掲載情報は 2018/03/07 時点のものとなります。
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キュレーター情報
酒サムライ/にいがた観光特使
村山和恵
秋田で生まれ幼少期までを過ごし、その後は新潟に移り現在に至る。日本酒好きが高じて、きき酒師、日本酒学講師の資格を取得。日本酒に関わるセミナーや講演会活動、イベント出演等で日本酒の楽しさや日本文化との関わりについて「分かり易さ」を心掛けて伝ている。
2009年、新潟で日本酒を楽しむ女性コミュニティ「にいがた美醸」を発足し、主宰を務める。会の活動として酒蔵見学ツアーや勉強会等を企画・実施することで、会員と日本酒の楽しみや奥深さを共有し学んでいる。これらの活動が口コミ等で広がり、2018年時点で会員数は約120人に広がりをみせている。
2013年より「にいがた観光特使」の任命を受け、日本酒を切り口とした、新潟観光の魅力を伝えている。2014年には日本酒および日本文化を伝える活動が評価され「酒サムライ」を叙任され、活動の幅をさらに広げている。