ご紹介した商品はこちら
ご紹介した商品はこちら
自然食のTAC21
あかもく醤油・あかもくぽん酢・湘南スパイシーオイル 3種セット
商品詳細を見る
長年お世話になっている自然食品会社の田耕邦子社長様から、一昨年ギフトをいただきました。
「あかもく醤油」「あかもく酢」「あかもくぽん酢」。そしてその後、あかもく入り野菜ブイヨン、あかもく昆布茶……と、次々にアカモク製品が届きました。
「アカモク」という海藻を見たことも聞いたこともなかったので、さっそく調べてみました。「アカモク」は食用されている地域により呼び方が異なり、秋田では「ギバサ」、山形では「ギンバソウ」、新潟では「ナガモ」、富山では「ナガラモ」、島根では「ハナタレ」と呼ばれています。
昨年春にNHKの朝の情報番組「あさイチ」で取り上げられたことが、アカモクブームのきっかけになったようです。アカモクは、1年生の海藻で秋から冬にかけて成長し、春には長さ6mにもなります。夏には枯れて海面を藻くずとして漂い、養殖網に絡みついたり、船のスクリューにからみついたりと、邪魔者扱いで「邪魔もく」といわれたほどだそう。
海藻類は強風と荒波で育ちにくい冬の日本海で、強い生命力を持つアカモクはすくすくと育ち、昔から寒い時期の海の野菜として珍重されてきました。
茎と葉に気泡がつき、雌雄の生殖器床が延びてきた時期にゆでるとネバリが出ます。ここがアカモクの美味しいところといわれ、海の納豆ともいわれるほど栄養も抜群。生殖器床を食べるとは、なんとなくエロティックな気がしませんか?
褐色の海藻はゆでると鮮やかな緑色となります。旬は1月~3月。新潟県では、てんぷらにしたり、みそ汁に入れたりして頂く早春の味覚です。
さまざまな栄養素の中でも、ミネラルの多さは他の海藻と比べても群を抜いています。そこが注目され、全国各地で「邪魔もく」はすっかり見直されてきています。
「大型海藻アカモクを利用した水環境の修復活動」(NPO法人環境生態工学研究所の佐々木久雄理事)という研究レポート
(http://www.japanriver.or.jp/taisyo/oubo_jyusyou/jyusyou_katudou/no9/no9_pdf/sasaki.pdf)
には、あかもくの藻場は5万人分の生活排水を浄化してくれ、ヨコエビなど多くの微小生物が生息し、小魚の餌場として重要な役割を果たしていることが書かれていました。
健全な生態系を構成する起点としての働きをアカモクが担っていたんだと思うと、アカモクを見る目が確実に変わっていきました。
全国には、豊かな海を守るために山に木を植える運動をされている漁師の方がいます。
その活動と同様に、アカモクは海の鎮守の森を守る働きをしています。
岩手アカモク生産協同組合(URL: http://iakamoku.jp/akamoku/history/)によれば、アカモクは「神馬藻(じんばそう)」と呼ばれ、日本中を馬で旅を続けた神様を元気づけた海藻との記載もあります。実った気泡が稲穂に姿が似ているということで、地域によってアカモクは、「縁起物」としてお正月のしめ飾りにも使われているそうです。
ここまで見てきたように、あかもくは免疫があがらないわけがないじゃないかと思うほどのスーパーフードなのであります。
食べてよし! 環境によし! 人によし! こんな食材、アカモクをおいて他にないのではないでしょうか?
さて、頂いた「あかもく醤油」は通常の醤油と比べ38%減塩なのですが、アカモクの程よいとろみと旨味成分のおかげで、食材にかけると絡みがよく、少量で味が決まります。通常はとろみをつけるために増粘剤を使用するのですが、アカモクの粘りで代用できる為、添加物を使わないですむという魔法の食材。
送り主の田耕邦子さんは、アカモクの栄養効果を知り、地元・逗子の行政とともに、地域活性化をめざし商品化をされたそうです。鎌倉でも葉山でも採れないアカモクですが、逗子だけでは採れ、小坪漁港であがったアカモクを自社の庭で天日干しをして使用されています。田耕さんは、若くして天国に旅立った私の友人のお母さん。今から20数年前、「安全で、人の健康にもよく、環境にもいいものを作りたいよね」と共に安全な食べ物を作ってきました。志半ばで急逝した友人が生きていたら、このアカモクwを喜んで商品化していたのではないかと思うと、胸が熱くなります。
いっときの健康ブームとしてあかもくが消えないよう、食と健康と環境をつなぐ役割として残っていくことを願っています。
あかもく醤油 120ml ¥690(税込)
※掲載情報は 2018/01/27 時点のものとなります。
料理家/フードディレクター
タカコナカムラ
山口県の割烹料理屋に生まれる。
アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚める。
日本の伝統食・発酵食、乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発や、オーガニックカフェのプロデュースに関わる。
現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール」を主宰。
通信講座(がくぶん)では、
「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」
「AGEフード・コーディネーター」など食と美や健康に関する講座を多数監修。
一般社団法人ホールフード協会 代表理事