心を寄せて使い続けたい、愛しの包丁がここにある。『食道具 竹上』

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包丁は食を支える和の道具

京都市から車で1時間、自然豊かな南丹市にある『竹上』の工房は、かつて薬局を営んでいた代表の祖父が住んでいた古い家屋を再利用したもの。日本で唯一の「庖丁コーディネーター」という肩書きで、全国を駆け回る代表・廣瀬康二さんは、立命館大学を卒業後、オーストラリアへと渡りました。
異国の地で和食文化の素晴らしさに気づき、帰国後に京都の老舗包丁店に入社して16年修行した後、独立。現在はプロから主婦まで幅広く包丁の大切さを伝えています。
日本の包丁は刀にはじまる鋼で作られていますが、鋼の包丁は研がないとさびやすいため、近年ではステンレス製やセラミック製も登場しています。実は、私も教室を始めた頃は、見栄えのよいオシャレな包丁を揃えていました。しかし、廣瀬さんとの出会いで、私の包丁観は大きく変わりました。

 

心を寄せて使い続けたい、愛しの包丁がここにある。『食道具 竹上』

「料理とは食材を生かすことだ。そのためには、包丁はとても大切」
トマトで試してみるとスッと切れ、切り口は実にみずみずしく美しいのです。角が立ち、食感がよくなります。たまねぎのスライス、大根の千切り。すべて切れない包丁で切ると切り口がぐしゃぐしゃになり、水分が出て、しなってしまいます。

 

最近ではキッチンはさみを使いこなそうという内容の書籍も人気のようですが、私はそれには異論があります。
料理が出来ない状況のときに便利だから使うというのは良いと思います。しかしハサミには包丁の代わりはできません。
ハサミと包丁は、食材へのあたりがまったく違う道具ではないでしょうか。

 

現在、タカコナカムラホールフードスクールの包丁は全て廣瀬さんお手製のものです。
包丁選びのポイントは、「フォルム」「握ったときのバランス」「刃先の繊細さ」だといわれています。廣瀬さんが南丹市を選んだのは、天然砥石の産地だからでした。

 

私が廣瀬さんの大好きなポイントを紹介します。
包丁のメンテナンスをすることを「包丁を管理する」とはいわず、「包丁の守り(もり)をする」というところです。「守り(もり)」は、子守りや家守りに使います。
「管理は自己都合。子守りも子供を管理するということではないですよね」
包丁や道具は、守りをしてほしいと。「守り」という響き、とってもわかりやすくありませんか? 「管理」や「メンテ」とは違う、日本語の美しい響き。
毎日研ぐ必要はないとしても、ぞんざいに扱うのではなく、さびてはいないか、キレはどうなのか、そんな風に包丁に心を寄せると、おのずと大切に使います。
100円均一ショップで鍋も包丁も器も買える時代ですが、私は良いものをじっくりと選び、長~~く使っていくのが和食の文化だと思います。廣瀬さんの包丁の最大の魅力は芯の部分は鋼でも周りがステンレス製なので、守りがとても楽だということです。
一日の終わりに、クレンザーとナイロンたわしで磨き、水気をよく拭いて守り完了。
廣瀬さん、さすが京都人、和装もとってもお似合いです。

心を寄せて使い続けたい、愛しの包丁がここにある。『食道具 竹上』

でも、一番かっこいいと思うのは、包丁を研いでいる姿。まさに、侍です。渋い~~~!
切れたらなんでもええやん~~、なんて、もう言わせないから。
日本では、森羅万象、さまざま」なモノに神様が宿るといわれています。そう、トイレの神様の歌が流行ったように。家にも、道具にも神様が宿るはず。
包丁にこそ、着流しの似合うキレ長の吉川晃司のようなイカした神様が、きっと宿っておいでです。

※掲載情報は 2017/11/17 時点のものとなります。

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キュレーター情報

タカコナカムラ

料理家/フードディレクター

タカコナカムラ

山口県の割烹料理屋に生まれる。
アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚める。
日本の伝統食・発酵食、乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発や、オーガニックカフェのプロデュースに関わる。
現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール」を主宰。

通信講座(がくぶん)では、
「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」
「AGEフード・コーディネーター」など食と美や健康に関する講座を多数監修。

一般社団法人ホールフード協会 代表理事

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