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お芋の品種の特徴を活かし、製法を変えて最大限の美味しさを
前回、旬の“新芋”を使った「窯出しスイートポテト」を紹介させていただいた。その際に、一緒に紹介しようかどうか迷ったスイーツがあったので、今回は”秋の収穫の味覚第二弾/新芋シリーズ“をもう一品。
こちらは、パッと見たところ、「東京名物で、浅草でよくお土産に買ったことがある」と思う方もいるのではないだろうか。ずっしりと重く、東京以外のところに住んでいらっしゃる方も、東京土産の定番として、一度は食べたことがあるかもしれない。あの独特なつるりとした外見と重さは、一度見たら忘れない「舟和」さんの芋ようかんだ。
今回紹介する「芋ようかん」は、寒天で芋の生地を固めておらず、砂糖と塩のみで味を調整。無添加で作った“新芋”の「芋ようかん」なのだ。固めてないため、手で割ってみると下の写真のように、芋の形が残っており、しっとりしていながら、ほくほくふんわり感を残した食感に仕上がっている。素朴だが、砂糖と塩のバランスが絶妙で、優しい甘さが口に広がる。
種類は紫とプレーンの2種類のみ。紫色の紫芋は九州産のものを使用し、プレーンに比べると水分量が多いため、プレーンとブレンドしながら固さを調整。そのため、紫の中に黄金色のお芋が見え隠れしているのも、かわいい。
紫には、深いコクと甘さが。紫芋からの作り方は固さの調整の苦労などのお話を聞くと、この絶妙な食感がたまらない。また、見た目も古来の日本では高貴身分の人しか許されなかった紫であるため、大人向けの手土産に。一方、プレーンはサツマイモならではの素朴な甘さがあり、一目で「お芋だ!」と子供にも分かりやすく喜んで手を伸ばすことができる。無添加であるため、お子様向けの手土産にちょうどよい。
私は前回、『秋の味覚を丸ごとお届け!お芋専門店の幻スイーツ!「窯出しスイートポテト」/ https://ippin.gnavi.co.jp/article-11528/』でご紹介をさせていただいた「窯出しスイートポテト」を実家に送った時、この芋ようかんも一緒に母にプレゼントした。同じ箱の中に、両方。「芋ようかん」6個と、「窯出しスイートポテト」1個を箱詰めに。この写真を撮り忘れたのが悔やまれるほど、見た目も鮮やかで豪華な詰め合わせだった。
母は、お客様のお茶うけに芋ようかんをお出しした。みんなの反応は「紫芋の深い甘さ、これは何の味ですか!?」とびっくり。そして、みんな2種類を食べ比べ、お芋でそれぞれの良さがここまで変わるのかと、話をしていたとのことだった。最近いろいろなお芋の品種に注目が集まり、さまざまなスイーツが売られている。品種を見て、お土産を選ぶのも日本人らしい和の心遣いでもある。
確かに、紫芋は、普段あまり口にする機会は少ない。そして、同じ「芋ようかん」にしようとしても、水分量が多いため、プレーンより手間暇がかかる。しかし、それを口に入れた瞬間の驚きに変えるだけの味わいの深さと甘さが、そこにはあった。
これで無添加。安心安全なこだわりが伝わってくる。
2色を食べ比べてみると、お芋の品種にちょっと興味が湧いてくる逸品だった。
※掲載情報は 2017/10/11 時点のものとなります。
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キュレーター情報
発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー
高橋香葉
「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。
主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等