富士山の推定5万年前とされる地層水で育てられた鶏から産まれたタマゴ。

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富士山の推定5万年前とされる地層水で育てられた鶏から産まれたタマゴ。

先日、あまりまだ知られていない新鮮な美味しいタマゴを入手しました。
新鮮なタマゴといえば、食べたくなるのがなんと言ってもタマゴかけご飯です。
炊きたての白米に生タマゴを掛けて掻き混ぜ、熱さでタマゴがほんのり温まってトロリとするのが、なんとも言えない味わいです。

富士山の推定5万年前とされる地層水で育てられた鶏から産まれたタマゴ。

そのタマゴは、静岡県の富士市にある後藤養鶏場で生産されたものです。農場は、富士山の南東、愛鷹山を背にしたところに位置します。後藤養鶏場のタマゴの特筆すべきところは、卵を産む鶏にあげる「水」です。その水は、地下325mから汲み出されます。富士山と愛鷹山の岩盤が8枚もあり、推定5万年前とされる地層水は、長い年月をかけてろ過されて岩盤のミネラルをたくさん吸収しています。そのミネラルがタマゴをプリプリにしてくれます。

富士山の推定5万年前とされる地層水で育てられた鶏から産まれたタマゴ。

後藤養鶏場のタマゴは、3種類あります。外見上での違いで説明すると、殻が一番濃い色が「ふじ太郎」、殻に薄ら色づいているのが「うすべに」、真っ白なのが「しろ」です。
「ふじ太郎」は、エサに海藻、ヨモギ粉末、木酢液を加え卵の生臭さを抑え甘さを引き立ています。醤油など和食との相性が良いです。
「うすべに」は、遺伝子の組み換えをしていないトウモロコシを配合飼料にエサにしています。やさしいコクがあるのが特徴で、卵焼きやオムレツなどの卵料理に適しています。
「しろ」は、植物性の配合飼料にエサにしており、クセがないのでお菓子作りには適しています。

 

僕の子供の頃、祖母がよく「炒り卵」を作ってくれました。食べると今でも、亡き祖父母との昔の下町の食卓の記憶がうっすらと浮かんできます。
また「炒り卵」というと、同じ下町で育った小説家の池波正太郎を思い出します。池波正太郎の時代小説「剣客商売」を読むと「炒り卵」が出てきます。
池波正太郎をお好きな方なら、池波正太郎は「炒り卵」が好物なのだろうと想像される方も多いと思います。「剣客商売」シリーズの「隠れ蓑」の「決闘・高田の馬場」の章でも、主人公の秋山小兵衛がこれから何かが起ころうとする前の腹ごしらえで、「炒り卵」が出て来ます。
「ほどよく漬け込んだ茄子の香の物へは、溶き辛子をそえ、それに葱をきざみ込んだ炒卵で、小兵衛が飯を三杯もおかわりしたものだから、」
また同じく「剣客商売」シリーズの「二十番斬り」の中でも、ひと悶着を終えて落ち着いた小兵衛に腹ごしらえは、「おはるは、熱い味噌汁と炊きたての飯、炒り卵を老いた夫のために仕度をした。」と書かれています。

富士山の推定5万年前とされる地層水で育てられた鶏から産まれたタマゴ。

「剣客商売」シリーズに登場した料理を紹介した「庖丁ごよみ」という小説ではない料理の本があります。
著書の中で実際に料理したのは、銀座の名店「てんぷら近藤」の近藤文夫さんです。
近藤さんは、山の上ホテル「てんぷらと和食 山の上」の料理長をされていた方です。
その本の中でも炒り卵の作り方が、紹介されています。「剣客商売」シリーズらしい炒り卵は、小口切りをした葱が入るのが特徴です。

 

おそらく池波正太郎は、子供の頃に食べた「炒り卵」に、何か思い入れがあるのはないかと勝手に推測します。しかも、「葱」の入った「葱入り炒り卵」です。なぜなら、池波正太郎の著書「食卓の情景」で、「子供のころ」という題で、子供の頃の炒り卵についても触れています。「私が学校へ持って行く弁当は、焼き海苔を飯の間にはさんだ、いわゆる[ノリベン]というやつ。または、ネギの入った炒卵。またははんぺんのつけ焼き。または焼豆腐を甘辛く煮しめしたものであった。」
やはり、弁当のおかずに「葱入りの炒り卵」を入れてもらっていました。
また、同じく「食卓の情景」の著書の中で、食べたものの日記が紹介されており、そこには大人になってからの「葱入りの炒り卵」が記録として紹介されています。
昭和45年12月9日の夕飯の記録は、「ウイスキー・ソーダ(3)、牛味噌漬、ムツの子の煮つけ、千枚漬、マグロの刺身、葱炒り炒り卵、飯、コーヒー。」
またその一年後の昭和46年12月9日の昼飯は、「キリボシの煮つけに葱炒り炒り卵、わかめの味噌汁、たくあん。」
池波正太郎が40代後半の大人になってからも、子供の頃から馴染み深い「葱入り炒り卵」を奥さんが作っていたのは、「葱入り炒り卵」が好物だったのではないでしょうか。
余談ですが、「剣客商売」の連載が「小説新潮」で始まったのは、翌月の昭和47年の1月です。

富士山の推定5万年前とされる地層水で育てられた鶏から産まれたタマゴ。

「庖丁ごよみ」を手本に、後藤養鶏場のタマゴを使い、池波正太郎流の「葱炒り炒り卵」を実際に作ってみました。タマゴ本来の美味しさに、葱と醤油が上手い具合にアクセントとなり、素朴な料理ながらもとても上品な味わいになりました。そして、食べるとどことなく懐かしい昭和の下町の食卓を連想させます。

富士山の推定5万年前とされる地層水で育てられた鶏から産まれたタマゴ。

後藤養鶏場のタマゴで、プリンを作ってみました。タマゴの味がしっかりとして上品な美味しさのプリンになりました。子供のおやつにすると、健康的で安心です。

富士山の推定5万年前とされる地層水で育てられた鶏から産まれたタマゴ。

また、親子丼にしても最高です。タマゴにこだわった贅沢な親子丼になりました。
美味しさの秘密は、とれたての新鮮さにもあります。
この後藤養鶏場のタマゴを手に入れたい方は、静岡県沼津にあるミッションベイまで行ってみてください。新鮮なタマゴを常時用意しているとのことですが、鶏の調子でタマゴを産まない時は店頭に並んでいないこともあるので、事前に確認することをおすすめします。
併設するカフェでは、後藤養鶏場のタマゴを使ったパンケーキを食べることが出来ます。
タマゴ料理を美味しくするには、タマゴ選びが重要です。
ぜひ、一度機会があればご賞味ください。

富士山の推定5万年前とされる地層水で育てられた鶏から産まれたタマゴ。

引用及び参考文献
 池波正太郎著「剣客商売 隠れ蓑」新潮文庫
 池波正太郎著「剣客商売二十番斬り」新潮文庫
 池波正太郎著「庖丁ごよみ」新潮文庫
 池波正太郎著「食卓の情景」新潮文庫

※掲載情報は 2017/10/11 時点のものとなります。

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キュレーター情報

荒岡俊行

荒岡眼鏡の三代目 眼鏡店ブリンク店主

荒岡俊行

1971年生まれ。東京・御徒町出身。1940年から続く「荒岡眼鏡」の三代目。
父方も母方も代々眼鏡屋という奇遇な環境に生まれ育ち、自身も眼鏡の道へ。

ニューヨークでの修業を経て、2001年に外苑前にアイウエアショップ「blinc(ブリンク)」、2008年には表参道に「blinc vase(ブリンク・ベース」をオープンさせる。
「眼鏡の未来を熱くする。」をミッションに掲げ、眼鏡をカルチャーの1つとして多くの方々に親しんでいただけるよう、眼鏡の面白さや楽しさを日々探求しています。

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