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宇治抹茶三昧をお茶とカレーで確かめた。相性は抜群だ。
抹茶味、というジャンルがある。もうジャンルと言い切ってもいいだろう。
お茶そのものでは終わらずに抹茶テイストの◯◯という形で食べ物のある種フレーバーのジャンルになりつつあると感じる。それはもうすでに海を越えて海外でも理解され、受け入れられる場所が増えているとも聞く。なんとも面白い。
ケーキ、アイスクリームなど主にスイーツに使われることが多かった抹茶。最近では料理で目にすることもある。たとえばカレーだ。
カレーは本当に懐の深い食べ物で、それこそカレー味の◯◯などいう食べ物は星の数ほど。
そのカレーと抹茶を合わせたらどうなるのか。いつも気になっていた。どんな食材をも飲み込む懐の深さ広さを持ったカレーという食べ物。同じく香りのものである抹茶はどんな風にマッチングするのだろうか。そもそもマッチングするのか。そう、宇治抹茶カレーのレトルトがあるのだ。手軽にそれを確かめられる。
同時に思ったのがお茶としての抹茶そのものとカレーとの相性はどうだろう、ということ。
はたと気がついた。これもお手軽な方法があった。手元にあったネスカフェのドルチェグスト。パーソナルカフェシステム、とも言えるマシンでコーヒーなどが気軽に楽しめる。カプセルを入れて抽出するものだがそのカプセルのバリエーションが多彩で、その中に抹茶フレーバーが数種あるのだ。これはいいじゃないか。カレーと抹茶。宇治合わせでこの2つのマッチングを確かめてみようと考えた。
さっそくごはんを準備したのちレトルトカレーを温める。
宇治抹茶カレー、これがなかなか面白いものなのだ。発売3年にして今年の夏、リニューアルになった「宇治抹茶カレー」。販売元の伊藤久右衛門は京都宇治茶の老舗である。その緑色のビジュアルや斬新な「抹茶とカレー」というコンセプトが功を奏して3万食を超える販売実績を作った。ここまでのユーザーの声を総合してより食べやすいものにリニューアルを行なったというわけだ。
宇治抹茶はご存知の通りパウダー状である。それを苦みや色、香りの個性強いパウダースパイスと捉え、その色味を崩さぬようにペッパーはホワイトを選ぶ、などの工夫を凝らして完成させた。抹茶の香りを主軸に置いてそれをこわさぬ淡白なチキンをチョイスしたり、抹茶は一番摘みを2種使用して苦みを抑えつつも色、香り、旨味をバランスさせたりとこだわりは多岐にわたる。
封を切りごはんにかける。
封を切った途端。
おやおや、ちゃんとカレーの香りの中に宇治抹茶のほのかな香りが漂う。面白くなってきた。その深い緑色のカレーソースに驚きつつ、その片手間に宇治抹茶も準備。そう、片手間で淹れられるほど簡単なのだ、このドルチェグスト。
ネスレ日本が力を入れるこのマシン。マシンは5機種あってスペックやデザインから選べるようになっている。私の手元にはジェニオ2プレミアムがある。
カプセルは20種ほど用意され、コーヒー類とそのバリエーションのラテマキアートやカプチーノ、コーヒー以外のソイラテ、チョコラテ、チョコチーノと多彩で、宇治抹茶、宇治抹茶ラテ、濃い抹茶という3種もラインナップされる。カプセルは酸素を抜いて密封されるために酸化がなく、専門店レベルのドリンクが出来上がるという寸法だ。15気圧で抽出されるドリンクのきめ細かいクレマ(泡)部分が宇治抹茶を立てた時の泡とリンクしていてなるほど、抹茶がカプセルのラインナップにある理由がわかる。これはいい。
背中のタンクに水を入れ、カプセルをトレーにセットし、電源を入れてランプがグリーンになったらスタンバイ完了。水量を設定して抽出レバーをスライドするだけだ。
宇治抹茶のカプセル自体がよくできており、なかなかにおいしい宇治抹茶が本当に手軽に淹れることができる。宇治抹茶の味はきちんと苦味を残しながら嫌味がない。ずっと口の中に残るようなものではなく余韻として残る香りもよく、苦みのキレもいい好バランス。俄然抹茶ラテなども試してみたくなった。
さて、カレー。
宇治抹茶カレーは色から来るイメージはインド料理のサーグのように感じる。サーグは葉物野菜のカレーだ。ビジュアルがそんなふうに感じるが食べてみるとジャパニーズスタイルカレーそのものだった。確かに抹茶を感じる味と香りなのだが上手なバランスをとってあり、おかしなちぐはぐ感は無い。上品かつ食べ応えのあるきちんとしたものだった。抹茶のほのかな香りがそうさせるのか、重たさ脂っこさは抑えられているのはやはりこの抹茶の香りと味とのバランスなのではないだろうか、と感じる。通常のレトルトカレーよりも上品だが物足りない感はなく食べ応え、満足感は十分なものがある。ちょっと変わっていると感じる人もいると思うがこれは新しいカレーのフレーバーとしてありだ。インド料理屋スパイスカレーを食べ慣れた人ならより面白い感想を持つだろう。
そして宇治抹茶と宇治抹茶カレーのマリアージュ、これが驚くほどよく合うのだ。
抹茶とカレー、この組み合わせはいかがなものかと思う部分もあるであろうが、事この宇治抹茶カレーにおいては杞憂であろう。きちんと辛味もある宇治抹茶カレー、合間合間で泡立ちも美しい宇治抹茶を含むと舌がほっとして喜んでいるのがわかる。食卓にサラダや副菜があったとしてカレーとそれらの橋渡しに宇治抹茶が力を発揮するに違いない。上手にカレーをリセットしてくれるのが素晴らしい。
香りのもの同士というのはマッチングがなかなか難しいのだが、カレーと抹茶を合わせるとによってその壁を軽やかに越えているのがこのドルチェグストで淹れた宇治抹茶と、宇治抹茶カレーとの相性だ。
面白いマリアージュに出会ってしまった。この面白さ、皆さんに知ってもらいたい。
ネスカフェ ドルチェ グスト
https://nestle.jp/brand/ndg/
※掲載情報は 2017/10/03 時点のものとなります。
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キュレーター情報
カレーライター・ビデオブロガー
飯塚敦
食、カレー全般とアジア料理等の取材執筆、デジタルガジェットの取材執筆等を行う。カレーをテーマとしたライフスタイルブログ「カレーですよ。」が10年目で総記事数約4000、実食カレー記事と実食動画を中心とした食と人にフォーカスする構成で読者の信頼を得る。インドの調理器具タンドールの取材で09年秋渡印。その折iPhone3GSを購入、インドにてビデオ撮影と編集に開眼、「iPhone x Movieスタイル」(技術評論社 11年1月刊)を著す。翌年、台湾翻訳版も刊行。「エキサイティングマックス!」(ぶんか社 月刊誌)にてカレー店探訪コラム「それでもカレーは食べ物である」連載中。14年9月末に連載30回を迎える。他「フィガロジャポン」「東京ウォーカー」「Hanako FOR MEN」やカレーのムック等で食、カレー関係記事の執筆。外食食べ歩きのプロフェッショナルチーム「たべあるキング」所属。「ツーリズムEXPOジャパン」にてインドカレー味グルメポップコーン監修。定期トークライブ「印度百景」(阿佐ヶ谷ロフトA)共同主催。スリランカコロンボでの和食レストラン事業部立ち上げの指導など多方面で活躍。