喜多方の希少なはちみつで作られる!甘酸っぱさが癖になるはちみつ酒「美禄の森」

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正統な醸造方法

喜多方の希少なはちみつで作られる!甘酸っぱさが癖になるはちみつ酒「美禄の森」

人類が最初に出会った酒はワインでもビールでもなく、はちみつ酒なのだそうな。
うーむ、知らなかった。というより、はちみつで酒が出来ることも知らなかった。
その歴史はとても古く、1万4,000年の昔に誕生したという。古代ギリシアでは「神々の酒」として崇められ、ジュリアス・シーザーやクレオパトラも愛飲したらしい。

 

そんなヨーロピア〜ンなはちみつ酒が、何と福島・会津でも造られていた。
喜多方にある「峰の雪酒造場」の「美禄(みろく)の森」という酒で、地元のトチの花から採取されたはちみつ(100%)を飯豊山系の伏流水で希釈し、酵母を加えて1カ月間醸しているのだ。

 

はちみつ酒の造り方はほかにもあって、はちみつにワインなどの酒類を混ぜたり、薬草を漬け込んで薬効を狙ったものもある。

美禄の森の原料は、はちみつと酵母と水だけだから、古式ゆかしい正統派であります。

甘みから酸味まで全域スムーズ

喜多方の希少なはちみつで作られる!甘酸っぱさが癖になるはちみつ酒「美禄の森」

かくのごとし。


グラスを鼻先に持ってくると、確かに香りは、はちみつ的だが、どうもそれだけじゃない。
はちみつ特有のクセがなく、もっとあっさりしている。少しだけ梅酒に近いかな。

 

口に含んでみると、甘酸っぱさがまずあって、奥から熟したプラムのような香りが立ち昇る。
しかし、飲み込んだあとには意外と芯の太いうまみが残り、それが甘みから酸味まで全域滑らか。驚くほどスムーズで、それが狂おしいほどウマい。アルコール度数は11%で、一般的な白ワインより3〜4%低い。

 

それにしても、何だろうこれ。初めて飲んだ酒なのに、まるで幼い頃に飲んだことのあるような...。いや、幼い頃に酒は飲んでいませんが、なぜか郷愁を呼び覚ます味。
梅酒から梅の風味を除き、白ワインをわずかに足したような...。
いや、違うな。そうではない。はちみつだけを発酵させたからこそ、この純粋な味なのだろう。

 

原料のはちみつが希少で、発酵後もゆっくりと時間をかけて濾過するため、あまり数量を造れないそうだ。ネット通販で何社か扱っており、お値段は520mlで税込約3,200円であります。

 

ごちそうさま!

※掲載情報は 2017/08/14 時点のものとなります。

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キュレーター情報

黒川勇人

缶詰博士

黒川勇人

昭和41年福島県生まれ。平成16年から世界の缶詰を紹介する『缶詰blog』を執筆。缶詰に精通していることから"缶詰博士"と呼ばれ、TVやラジオ、新聞など各種メディアで活躍中。国内外の缶詰メーカーを訪れ、開発に至る経緯や、製造に対する現場の“思い”まで取材するのが特徴。そのため独自の視点から缶詰の魅力を引き出し、紹介している。
著書は『おつまみ缶詰酒場』(アスキー新書)、『缶詰博士・黒川勇人の缶詰本』(タツミムック)、『缶づめ寿司』(ビーナイス)、『日本全国ローカル缶詰 驚きの逸品36』(講談社プラスアルファ新書)『缶詰博士が選ぶ!「レジェンド缶詰」究極の逸品36』(講談社プラスアルファ新書)、『安い!早い!だけどとてつもなく旨い! 缶たん料理100』(講談社)など。小曽根マネージメントプロ所属。
お問い合わせ Mail:k-k@kosone-mp.com

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