記事詳細
紹介している商品
甘く、ほろ苦く、なつかしい。大人の味なのになぜか子どもの頃を思い出させるリンゴとチョコのハーモニー。
「まだ小学校の頃、おばぁちゃんの同窓会のチラシづくりを
手伝ったんです。ただパソコンで打つだけでした、でも、
おばぁちゃんは『もう、こんなことができるのねぇ』と
しみじみと言って、このリンゴチョコをくれました。
私にとっては初バイト料でした」
教えている大学の学生が、こんなエピソードといっしょに
差しだしてくれたのがこのチョコレート。
世界のチョコレート「一番舘」の
「ポーム・ダムール」です。
口に入れると、なんとも懐かしい味がする。
そうだ、そうだ。西宮に住んでいた私は、子供の頃に
このチョコをよく口にしていたのでした。
1971年創業で、「ポーム・ダムール」の発売は
1973年。
子供と言っても、そろそろ生意気盛りになりかけた頃。
「普通のチョコじゃ、甘すぎて、子供すぎるぜ!」
なんて、背伸びをしたい時期に、ほろ苦いチョコと
リンゴの甘酸っぱさがぴったりとマッチしました。
「あぁ、この味、よく知っているよ」
と学生にいうと、彼女もひとつ口にいれ、
「いいですよねぇ。ちょっと大人になったときの味」
と微笑みました。
彼女の話では、外側のチョコの、ちょっとコーティングが
分厚くなっているところに、前歯を入れると一番食感が
楽しめるとのこと。
ふたつめのチョコを、言われた通りにしてみると、
リスの「チップとデール」になった気分。
ますます子供の頃に気持ちが戻って、おしゃべりに
花が咲きました。
甘いものが苦手な人も、久しぶりに甘いものを
食べたいという人にもよく合います。
何よりも、大人への階段をのぼろうとしている
若い子にぜひ食べて頂きたい。
ベタな言い方ですが「青春の味」がするはずです。
※掲載情報は 2017/08/13 時点のものとなります。
- 9
キュレーター情報
スピーチライター/コラムニスト
ひきたよしあき
(株)博報堂で、広告クリエーターとして働くかたわらで、「朝日小学生新聞」などにコラムを書いています。出張、撮影、講演で全国を回りながら、おいしいものを送ったり、頂いたり。誰かに何かを送ろうとする時、そこに素敵なエピソードが生まれます。高い安い、有名無名に関わらず、できればその一品にまつわる物語までお伝えしようと思っています。皆さんからの情報もお待ちしています。主な著書「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)「ゆっくり前へ ことばの玩具箱」(京都書房)「大勢の中のあなたへ」(朝日学生新聞社)