
記事詳細
食べると止まらないヒマワリスイーツ
夏になるとブルガリアの各地で、あたり一面ヒマワリが咲いている光景を目にする事ができます。ブルガリアの花といえば「バラ」と連想するかもしれませんが、実はヒマワリの実の世界最大の輸出国でもあるのです。ヒマワリは、ブルガリアの食文化に欠かせません。気候や地理的な関係で、オリーブが生産されないため、むかしからヒマワリのオイルが使用されてきました。今回ご紹介する、国民的なお菓子「ハルヴァ」にも、ひまわりの種が使用されています。

ハルヴァは、もともと中東の伝統的なお菓子といわれています。オスマントルコに支配されていた時代に、このお菓子はブルガリアに伝わりました。本来はゴマ、砂糖などを練って固めて作るお菓子ですが、ブルガリアでは、ヒマワリの種をゴマの代わりに使用します。このお菓子は、シンプルで非常においしいですが、カロリーがかなり高いので食べすぎには注意です!

別の種類の白いハルヴァは、復活祭の47日前に「シルニ・ザゴヴェズニ」という伝統行事でも使われます。この日は、若い人たちが年配の人たちに懺悔をする日にあたりますが、各家庭の玄関に赤い糸で結ばれたハルヴァを子どもたちが手をつかわずに食べるのです。この風習は、いつから始まったのは分かりませんが、キリスト教の行事に、トルコから伝わったお菓子を使うのは、ブルガリア独特の文化といえます。アラブとブルガリアのハルヴァの違いを食べ比べてみるのも面白いかもしれませんね。
※掲載情報は 2017/07/31 時点のものとなります。
- 4

キュレーター情報
ブルガリア共和国大使館
ブルガリアはバルカン半島に位置し、北はルーマニア、西にセルビア、マケドニア共和国、南にギリシャ、トルコと隣接し、東には黒海があります。北海道より少し大きい国土で、首都はソフィアです。香水用のバラ栽培が世界最大産地ということでも有名です。ブルガリアの食でみなさんはヨーグルトを連想する人が多いと思いますが、さまざまな民族の食文化の影響、特にトルコ、ギリシャ、ルーマニア料理との共通点が多いです。また、良質なワインの産地としても有名です。